【Bob語録#8】XRPの普及がもたらす地政学的影響について

皆さま、こんにちは!

記事をご覧頂き誠にありがとうございます。

今回の記事でも引き続き元リップル社員である
ボブ・ウェイさんが開設した質問スレの内容を
ピックアップしてまとめます。

元リップル社員が開設した質問スレとは? 【Bob語録#0】元リップル社員があらゆる質問に答える

では早速今回の質問の方を見ていきましょう!

XRPが普及することによってグローバル社会に対し、どのような地政学的影響が生じると思いますか?(そもそも生じうると思いますか?)

リップル社は、XRPの普及を推し進める上で上記のことを考慮しているのでしょうか?

この質問は個人の私見によって回答が大きく左右されることは重々承知をしていますが、ボブ氏の意見が聞きたいです。(和訳文)

I wonder if you could speak to the geopolitical ramifications of XRP adoption. That is, has Ripple considered this aspect beyond regulation? I know this is a touchy subject and can go in many speculative directions, but it would be interesting to hear any insight at all that you might have.

VanGogh
参考 元の質問XRP CHAT

困っちゃん

ち、地政学…!?なんだか難しそうです…もう早速睡魔が…
困っちゃんさん最近よく寝落ちしますもんね(笑)

確かに“geopolitical”(地政学)ってちょっと取っ付きにくそうなテーマですが…

「XRPが普及することによってグローバル社会・金融・経済に対してどのような影響を及ぼしうるか」

…ということを今回の質問者は聞きたいのだと思います!

管理人

調子・のり助

いや、だからそれがむずかしいっちゅーねん!
すみません…(泣)

XRPや”xRapid”などのリップル社のプロダクトが普及し、活用の機会が増加した場合、既存の金融・経済システムに非可逆的な影響を及ぼしうるということは以前の記事でも言及したと思います。

今回の質問者は…

「XRPが金融・経済システムのみならずグローバル社会に対してどのような影響を及ぼしうるのか」

…ということを元リップル社員のボブ氏に問いたいのではないでしょうか。

管理人

困っちゃん

なるほど…確かに金融システムは国家やグローバル社会の重要な基盤の一つですからね…
そういうことです!

早速ボブ氏の回答を見ていきましょう!

管理人

今回の質問はXRPの可能性やリップル社の今後
の展望について、マクロな視点で掘り下げて
いくものとなっております。

そういう意味でも、元リップル社員のボブ氏に
この質問の回答をして頂くことには大きな意味
があるのではないでしょうか。

元リップル社員だからこそ持っている視点や
ビジョン、リップル社の今後の事業運営方針を
ボブ氏の回答を通じて垣間見ることが
できるかもしれません。


早速回答を見ていきましょう!

ボブ氏が非常に丁寧にロジックを組み立てて
いるので、今回の回答はかなりの長文
となります。

私が「地政学」なんて学術的な定義を適切に援用できるか分からないけど、(リップル社の試みが成功したら)銀行事業の構造改革に繋がるような大きな進展が見込めると思うよ。

銀行業に関して私が最も違和感に感じていることは、異なる二つの国家に拠点を置いている銀行間で国際送金を実施した時に起きる不思議な事象だ。

この事象は新興国に拠点を置いている銀行ほど顕在化しやすい。

例えば…

「アリスというメキシコに住んでいる女性が、フィリピンに住んでいるボブとビジネスをしたいと考えている」

…と想定してみよう。

一見2カ国間でビジネスが行われるシンプルな構図だが、アリスは”MXN”(メキシコ・ペソ)という法定通貨で決済をしており、ボブは”PHP”(フィリピン・ペソ)という法定通貨で決済をしている…ということをまず念頭に入れてもらいたい。

アリスとボブが実際にビジネスを行うとして、二人がそれぞれ滞在している国の銀行ではどのようにして二人の取引の決済が執行されるのか?

多くの場合、このようなケースでは”USD”(米ドル)がブリッジ通貨となる。

これ自体は特に驚くことではないよね。

ただ実際どのようにして”USD”がブリッジ通過として機能するのか掘り下げていこう。

メキシコの銀行がアメリカの大手銀行にコルレス口座を持っていたとする、例えばそのアメリカの銀行が”Citi Bank”だったとする。

同時にフィリピンの銀行もアメリカの大手銀行にコルレス口座を持っていたとする、そのアメリカの銀行が”Bank of America”だったとする。

メキシコに住んでいるアリスが、フィリピンに住んでいるボブに決済のため、お金を送金した場合どういったことが起きるのか?

送金元のメキシコの銀行がコルレス口座を持っている”Citi Bank”から”FedWire System”を通じて、受取側のフィリピンの銀行がコルレス口座を持っている”Bank of America”の口座にお金が送金される。

この一連の処理は全て”SWIFT”のシステムを介して行われる。

ここまでは普通の話だよね?

ただ、ここからは僕がさっき言っていた「不思議な事象」の話をするよ。

“Citi Bank”と”Bank of America”はどちらもアメリカに本拠地を置いている大手金融機関なので、アリスからボブへの送金が…アメリカの法令に照らし合わせた上で正当なものであるか否か、コンプライアンスに則っているものであるか否かを彼らは精査しなければならないのだ。

もし仮に”Citi Bank”や”Bank of America”が送金を精査せずに承認してしまったとしましょう。

事後的にアリスからボブへの送金がアメリカの法令に準拠していないことが発覚した場合、”Citi Bank”や”Bank of America”はアメリカ政府から多額の罰金を請求される可能性がある。

つまりメキシコに住んでいるアリスが、フィリピンに住んでいるボブとビジネスができるかどうかは、全く関係のない第三国に拠点を置くアメリカの銀行が送金を許可するか否かに大きく影響されるということになるのだ。

アリスとボブの取引がアメリカの司法の管轄外で行われているはずなのにだ。

アメリカの銀行や金融機関は本来アメリカの国外で行われている国際送金の…

・正当性
・コンプライアンスに準拠しているか否かの確認
・不正でないか否か

…の確認に膨大な時間と人件費を費やしているのだ。

アメリカの銀行の多くは、上記の一連の作業に対して費用対効果の観点から、採算が取れないと判断をし始めているため、コルレス口座の閉鎖をし始めている。

アメリカ政府から罰金を請求されてしまうリスクが、コルレス口座を運営することで得られる効用を上回ってしまっているからだ。

金融業界ではこの一連の動きを”the de-risking problem”(リスク軽減問題)と称している。

XRPのようなブリッジ資産は、従来から続いている上記のような歪な構図にメスを入れ、国際送金システムにパラダイム・シフトを起こす可能性を秘めている。

本来全く関係のないアメリカや第三国の金融機関やコルレス口座を介さずとも、送金元・送金先の当事国の金融機関同士のみで直接国際送金が行えるようになる。

事業者は、国際送金を執行する際に係るストレスが大幅に軽減されるため、無駄な作業に時間と労力を割く必要がなくなり、より建設的なことに充てられるようになる。(簡略化のため、国家名や通貨の名称を変更していますが、本質的な意味やロジックは、原文を踏襲しております)(一部抜粋)(和訳文)

I’m not sure I’m qualified to use fancy words like “geopolitical” correctly. 🙂 But there are huge improvements coming to the structure of banking.

So “geopolitically” speaking, one of the weirdest things about banking is how the international relationships are structured. This is true especially among the smaller countries. Take a random made up example. Say Alice lives in Barbados and want to do a business transaction with Bob in Saint Lucia. It is just a standard two party business deal for services rendered. But Alice uses BBD and Bob uses XCD. So how do their banks settle that transaction?

Well it turns out in many cases they use USD. That sentence sounds pretty sensible not earth shaking to anyone… But how does that really work? Well it turns out that important banks in Barbados keep “correspondent” accounts with a large US bank. Let’s say Citi in this case. And some large bank in Sant Lucia also keeps a correspondent account with a US bank. Let’s say BofA in that case. The settlement actually happens by the Barbados bank telling Citi to wire money through the FedWire system to the St Lucia’s account at BofA. These requests are transmitted via SWIFT.

But the crazy thing is that US law says that both Citi and BofA need to screen the transaction between Alice and Bob for compliance with US laws! And if a bad transaction slips through, both Citi and BofA can be fined huge amounts. So in effect, whether Alice in Barbados can do business with Bob in St Lucia becomes dependent on whether or not US banks want to allow it. Even though the transaction doesn’t involve US jurisdiction at all!

The side effect of the US bank’s risk in these transactions is that they’ve started closing the correspondent banking accounts for entire countries. The risk is just seen as too high for the reward (fees) that they can charge. This is called in banking jargon, “the de-risking problem”.

A bridge currency like XRP changes that dynamic dramatically. Transaction that don’t involve the US (or other third countries) don’t have to travel through their systems to settle. That allows people to stop jumping through third party regulatory hoops and just get one with doing business.(一部抜粋)

BobWay
参考 元の回答XRP CHAT

調子・のり助

なっげぇぇぇぇー!!!笑
スヤァ…

困っちゃん

管理人

困っちゃんさん!起きてください!(笑)

確かに長文ですが、ボブ氏が丁寧に分かりやすくロジックを組んで回答をしてくれています!
ボブちゃんの回答を100文字以内に分かりやすく要約してまとめよ

調子・のり助

管理人

ボブちゃんって…(苦笑)

現行の国際送金システムのままでは、特に経済規模の比較的小さい新興国に拠点を置いている人(事業者)同士で何らかの国際送金・決済をする際、全く関係のないアメリカなどの第三国の法令や規制が送金の障壁となり、スムーズな事業の運営に支障をきたすような潜在的なリスクが存在することをボブ氏は指摘しています。
確かに全く関係のないアメリカの法律や規制のせいでビジネスがスムーズに行かないというのはなんともおかしい話ですよね…

困っちゃん

管理人

はい、国際金融システムがアメリカなどの大国によって牛耳られていると言われる所以はこういった事例からも垣間見えますね。

結局何らかの国際送金・決済を行う際に…

・時間的制約(送金に時間がかかる)
・高額なコスト(送金に多額の手数料を要する)
・不確実性(関係のない第三国の法令や規制に引っかかり、送金が執行されない可能性がある)


…と多くの制約や障壁が存在・発生するのです。

このような状況が続くようでは、金融の民主化なんて実現しないですし、キャッシュや資産は大国に滞留・偏在しやすくなり、新興国にマネーが流入しにくくなってしまいます。
うむ。不公平や。

調子・のり助

管理人

リップル社はこのような事態を、特定の国家や組織に帰属せず、カウンターパーティリスクがないXRPを活用することで是正しようとしています。

リップル社は主要プロダクトの一つである”xRapid”を普及させることで、新興国の金融機関が、欧米の大手金融機関や”SWIFT”を介さずとも、国際送金や国際決済を執り行えるような枠組みを築こうとしています。

既存の国際送金に係るあらゆる制約を受けずに、より円滑にかつ高速に国際送金が執行できれば、(新興国の金融機関は)浮いた時間やお金をより建設的なことに費やすことができるようになります。

これがリップル社の目指す…

「価値のインターネット」

…のビジョンの一部なのです。

リップル社が新興国をターゲットにしている理由も上記のビジョンを実現するためなのです。
なるほど…言いたいことは分かるのですが、もし仮にこのビジョンが実現したとして、アメリカなどの大国は、新興国の金融機関が規制の目を掻い潜ろうとしていると思うのではないでしょうか?

困っちゃん

管理人

確かにそういった懸念も考えられますが、本来アメリカの司法や規制の管轄外の国に属している金融機関同士で行われている国際送金にアメリカが介入しようとすること自体…なんというか…おこがましいことなんですよ(笑)

アメリカの政府が故意に介入しているわけではないと思いますが…(している可能性もありますが)
天下のアメリカ様やったらそういうことやりそうやな…

調子・のり助

管理人

例えば、メキシコに住んでいる人がフィリピンに住んでいる人に国際送金をしようとしていると仮定します。

本来、その国際送金が正当であるか否かの精査は、送金に係る当事国であるメキシコとフィリピンの司法や規制に照らし合わせるのが筋なのではないでしょうか。

両国の司法制度・規制上その国際送金が合法なものであれば、送金は速やかに執行されるべきなのです。

そこに無関係なアメリカの司法や規制が介入し、影響を及ぼすのは不適当なのではないでしょうか。

もちろん国際的な取り決めや規制には準拠しなければいけませんが、アメリカとはいえ管轄外の第三国が他国の国際送金に介入することは本来おかしい話なのです。

上記の構図は、筋が通っていないということ以上に、単純に非効率で不必要なコストを生むだけなので、グローバル経済・金融が更なる発展を遂げる上で、早急な是正が求められます。
スヤァ…

困っちゃん

価値のインターネットのビジョンを実現
するため、リップル社はアメリカや日本などの
経済立国のみならず、メキシコやフィリピン
などのいわゆる新興国をメインターゲットに
事業を展開しております。

今回はXRPや”xRapid”などのリップル社
のプロダクトが普及することによって、
どのような地政学的影響があるかについて
ボブ氏の見解を交えながら、考察を
していきました。

展望論にはなりますが、晴れてリップル社の
ビジョンが実現した場合、新興国発のビジネス
は国際送金の大幅な効率化によりもたらされる
効用を享受することで、国家や国境に規定
されることなく、より自由に事業運営をする
ことができるようになるのでは
ないでしょうか。

結果として、新興国の経済活性化・経済成長
に繋がる一つの原動力になり得るのでは
ないでしょうか。

議論が少々飛躍してしまいましたが、
リップル社はその壮大なビジョンの
実現のために…

・XRPの流動性の向上
・XRPを取り扱う取引所の拡大

・”xRapid”の普及
・提携金融機関の拡大


…を淡々と進めており、外堀を埋めて
いっております。

「千里の道も一歩から」

… なんて言いますが、これからも一人の
XRP投資家として、リップル社とXRP普及の
進捗を見守っていければと考えております。


管理人

今回のBob語録は以上で終わりです!

最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!

今後もBob語録をバンバンシェアしていきますのでよろしくお願いします!