【Bob語録#6】XRPは準備資産になりうるのか

皆さま、こんにちは!

記事をご覧頂き誠にありがとうございます。

今回の記事でも引き続き元リップル社員である
ボブ・ウェイさんが開設した質問スレの内容を
ピックアップしてまとめます。

元リップル社員が開設した質問スレとは? 【Bob語録#0】元リップル社員があらゆる質問に答える

では早速今回の質問の方を見ていきましょう!

開発当初、XRPが準備資産になりうることを意図・想定していたかは分かりませんが、将来的にブリッジ・アセットとしてだけではなく準備資産としても機能すると思いますか?

例:何らかのアクターが即時決済をするための用途とは別の理由でXRPを備蓄・貯蔵すること(和訳文)

Do you think, whether by design or by chance, that XRP can turn out to be the leading reserve asset/ currency and not just the leading bridge asset/ currency?

i.e. entities stockpiling it and not just use it for on demand liquidity?

LilBender
参考 元の質問XRP CHAT

管理人

今回はXRPがブリッジ・アセット(仲介資産)としてだけではなくリザーブ・アセット(準備資産)としても機能しうるか否かについての質問ですね
リザーブ・アセット…準備資産…?なんですかそれ…

困っちゃん

管理人

“Reserve Asset”は準備資産あるいは外貨準備のことを指します。

主に政府や中央銀行(日本の場合は日本銀行)が保有している他国の法定通貨、他国の法定通貨建てで購入した有価証券(国債など)やゴールド(金)などの資産のことを指します。
政府や中央銀行はなんのために他国の法定通貨を保有するのですか…?

困っちゃん

管理人

一つ目の目的は外貨建てで公的な支払いを行う際に決済目的で使用するためです。

公的な支払いをする際に(債権側が求めている)外貨を保有していなければ、該当する外貨を場当たり的に外国為替市場で調達をしなければいけなくなります。

為替は日々変動するため、場当たり的に外貨を調達するとなると価格が読みにくく、予算の範囲を超過してしまう懸念があります。

事前に予算を編成し、外貨を調達しておくことでより健全な財政運用を図っているのです。
な、なるほど…準備資産は他に機能はあるのですか?

困っちゃん

管理人

もう一つの機能は中央銀行による為替介入ですね。

例えば日本銀行が大量の米ドルを外貨準備として保有していると想定してみましょう。

非常に単純な例ですが…

急激な円安・ドル高が起きていたと仮定して、日本銀行がその急激な値動きを緩和したいと考えているとしましょう。

その状況で日本銀行が為替介入という形で外貨準備として保有している米ドルを大量に売却し、円を大量に購入することで市場の需給を操作することで、理論上ではありますが急激な円安・ドル高を是正することができます。

中央銀行は外貨準備を上記のような為替介入で使用するために保有しているケースもあります。
だいぶスケールのでかい話やなぁ…笑

調子・のり助

管理人

もちろん国家だけではなく、グローバルに展開をしている多国籍企業(アマゾンやグーグルなど)もいわゆる準備資産のような資産を保有しているケースはあります。

複数の国で事業を行なっている場合、事業を行なっている国ごとに法定通貨建てでの決済(仕入れ、給与支払い、借金返済、税金の支払い等々)が求められるので、多国籍企業も外貨建ての資産(有価証券等)や資金を保有しているケースがあります。
なるほど…重要な役割を果たしているのですね…で…?XRPは準備資産になりえるんですかね…?

困っちゃん

管理人

それについてはボブさんの回答を見てましょう!
参考 外貨準備とは初めてでもわかりやすい用語集(SMBC日興証券)

XRPはありとあらゆる法定通貨間の交換を
念頭に開発されたブリッジ・アセットですが、
果たしてリザーブ・アセット(準備資産)
としての機能も果たせるのでしょうか。

確かにXRPの流動性が向上し、さまざまな
法定通貨とのシームレスな交換が実現すれば、
準備資産としての親和性が高いことは
想像できます。

現在最も流動性が高く取引ペアの多い米ドル
が仲介通貨として機能をしているのと同様に
XRPが準備資産としての機能を果たすには
多くの取引ペアととてつもない流動性が
必要となってきます。

また、XRPが準備資産として機能するには
流動性以外に、XRPの価格・価値がある程度
安定していることも求められるでしょう。

元リップル社員のボブさんの意見を伺って
みましょう。


早速回答を見ていきましょう!

今回の回答は長文なので分割して、
少しずつ掘り下げていきます。

【回答1/2】

私がリップル社に在籍していた頃、XRPを秀逸なブリッジ・アセットにするために多くの時間を割き腐心した。

私はXRPがブリッジ・アセットとして高い機能を果たすと確信しているし、ブリッジ・アセットとしての機能の有用性も検証済みだ。

残念ながらXRPのブリッジ・アセットとしての有用性はまだ広く一般には周知をされていないけどね。

ステファン氏がブリッジ・アセットとしてのXRPの草案を構想した時、私は当初そのアイデアは少し大それたものだと感じていた。

しかし検証を重ねていくうちにXRPを支える技術が確固たるもので、ブリッジ・アセットとしての機能を備えていることは明瞭となっていった。

しかし私はブリッジ・アセット(仲介資産)と準備資産リザーブ・アセット(準備資産)の違いをそこまで深く考えたことはなかった。

私は暗号資産を備蓄・貯蔵するという行為は暗号資産の本来の機能を鑑みると本末転倒に思えるが、他論・反論にはもちろん耳を貸すつもりだ。(和訳文)

I spend a long time focused on how to make XRP the leading bridge asset. I know that can be done and worked out a process for doing so. Neither of those is particularly obvious by the way. Stefan suggested the initial idea. It was a bit overzealous in my calculations, but once we had a starting idea it became definable into a deterministic process.

But I never spent much time thinking about the difference between a bridge asset and a reserve currency. The whole idea of stockpiling crypto on a broad scale seems counterintuitive to me. But I’d love to hear other’s idea.

BobWay
参考 元の回答XRP CHAT

管理人

回答の冒頭を見る限り、ボブ氏はあくまでもブリッジ・アセットとしてXRPの有用性を訴求したいみたいですね
準備資産にはならんっちゅーことだな!

調子・のり助

管理人

あ、いや…100%断定することはできないと思いますよ。

ボブ氏がリップル社に在籍していた頃の業務はブリッジ・アセットとしてのXRPの有用性やユースケースを掘り下げていくことが目的でしたし、事実…

「他論、反論には耳を貸します」

…とも仰っていますしね。
え…じゃあどっちなんですかぁ…?

困っちゃん

管理人

XRPが準備資産になりうるかどうかについては、ボブ氏自身も明確な回答ができないぐらい難しい議論だということなのだと推測しています。

実際XRPの可能性やユースケースは単純に規定するのは難しく、今後の金融界、経済、暗号資産市場、国際送金市場の変遷に合わせて求められるニーズは限りなく可変的です。

そういう意味でもボブ氏は100%断定的な意見はなるべく避けていたのだと考えています。
腑に落ちないなぁ…

調子・のり助

管理人

例えばですよ、スマートフォンが登場する以前に…

・常にインターネットに繋がっている携帯端末の誕生を予想できたか

・インターネットが登場した時にツイッターやフェースブックなどのSNSが台頭することを予想できたか

・グーグルなどの検索エンジンを運営していた事業が世界経済を牽引するような超大企業になることを予想できたか


…ということだと思います。

恐らくごくごく限られた人にしか予想ができなかったと思います。

市場のニーズや技術革新に伴って状況が刻々と変化していく中で、XRPに求められるニーズやユースケースは日進月歩で変化していっています。

実際にXRPはゲーム内通貨や、投げ銭(Coil)など、ブリッジ・アセットとしての活用以外に多種多様なユースケースが模索されています。

ボブ氏はそういった状況を鑑みて、断定的な発言を避けていたのだと考えています。

では、回答の続きを見ていきましょう!

【回答2/2】

私がリップル社でXRPのブリッジ・アセットとしての機能を検証していた頃、私はふいにXRPが法定通貨間の交換に使用された際に、二回の交換を経なければいけないことに着目した。

例:USDをXRPを介してEURに交換する場合、まず最初にUSD/XRPペアで交換をし、その後XRP/EURペアで交換をしなければならない

USD/EURの交換をXRPを介して行う際、実際には二回の取引が行われているので、スプレッドによる手数料も二回発生することになる。

しかしXRPをそのまま保有していたら、一度の取引で法定通貨に交換をすることが可能なので(取引ペアと十分な流動性が存在する前提)、スプレッドによる手数料も前述の例と比較すると半分で済む。

同時に法定通貨をXRPに交換をする際も、スプレッドによる手数料は一度で済む。

上記のXRPの特性は多くの個人やビジネスにとって大きなアドバンテージになりうる。

より多くの個人やビジネスが上記のXRPの特性に気付けば、法定通貨ではなくてXRPを保有した方が利点やメリットが多いことに気付くだろう。(和訳文)

Naively, based on the above work, what I did notice is that when using XRP as a bridge currency there are obviously two exchanges that need to losily cross the spread. (USD->EUR = USD/XRP, XRP/EUR) This creates the equivalent of an additional fee on fiat to fiat transactions. Now for the holders of XRP they pay only half this fee to sent payments to fiat. Also their fiat counterpartys pay only have the fee to pay them in XRP. I see this as being a significant advantage to many people/businesses. And once this characteristic becomes well known it seems reasonable that regular lay people would see holding XRP rather than fiat as a benefit as well.

BobWay
参考 元の回答XRP CHAT

管理人

なるほど…XRPがリザーブ・アセットとして機能するか否かについては明言をされてないですが、その可能性については薄々ではありますが示唆していますね
え…そうなんですか…?

困っちゃん

管理人

例えば日本円をメキシコペソにXRPを介して両替をする際に、一度日本円をXRPに振り替え(スプレッドと手数料発生)し、その後瞬時にXRPをメキシコペソに振り替える(ここでもスプレッドと手数料が発生)ので、スプレッドによる手数料を2度支払わなければいけない。

しかし最初からXRPを保有していれば(各法定通貨間との取引ペアが確立され、十分な流動性が存在し、価格がある程度安定している前提)ありとあらゆる法定通貨に一度のスプレッドと手数料の支払いで振り替えることができるので便利ですよ…ということを仰っています。
いや、それは分かるんだけどその話と準備資産の話がどう関係してるん?

調子・のり助

管理人

ここからは私個人の意見となります。

非常に簡素化されたシナリオですが、国家、金融機関、グローバル展開している多国籍企業が外貨建ての支払いや、各国で働いている従業員などの給与の支払いなどを行う際に、XRPを準備資産として保有している場合、すぐに現地の法定通貨に振り替ることができるので、狭義の意味で外貨準備的な機能をXRPが果たすことができるのではないかと考えています。

もちろん前述したように、このシナリオが実現するには、XRPと各種法定通貨のペアが十分に拡充され、流動性が確立され、XRPの価値が比較的安定しているという前提が必要になります。

広義の意味での外貨準備は、中央銀行などによる為替介入などでも使用されるので、XRPにそのようなアプリケーションがあるか否かについては現時点で結びつけるのが難しいですが…
Zz…

困っちゃん

当初はブリッジ・アセットを念頭に開発された
XRPですが、先述したように国際送金市場
ひいては国際金融市場やグローバルに展開
している多国籍企業の求めているニーズに
応じてブリッジ・アセット以外の効用や機能を
果たす可能性が考えられます。

もちろん、より多くのXRPと法定通貨の
取引ペアが拡充されることや、より多くの
取引所がxRapidを導入すること、そして十分な
流動性が確保されることが大前提とは
なってきます。

我々はまずXRPの主命題である国際送金の分野
でXRPが十分に機能するか、評価をされるかを
注意深く精査していく必要があると
考えています。

国際送金の土台が盤石になれば、今回話題と
なったリザーブ・アセットや外貨準備など、
他にも多岐に渡るXRPのユースケースが
開拓されていくのではないでしょうか。


管理人

今回のBob語録は以上で終わりです!

最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!

今後もBob語録をバンバンシェアしていきますのでよろしくお願いします!