コルレス銀行の減少-デ・リスキング問題

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管理人

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今回まとめるニュースはこちらです!

管理人

ちなみにですが、今回の記事を読む前に下記の記事を読んで頂けますと、本記事の内容をより深く理解できます!

非常に長い記事ですので、もし良かったらお手隙の際にどうぞ♪
【Bob語録#8】XRPの普及がもたらす地政学的影響について

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デ・リスキング問題とは?

管理人

今回の記事では、上記のツイートでGiantGoxさんが触れられているデ・リスキング問題とは一体どういう事象なのか、リップル社の事業運営とどう関係してくるのか、詳しく見ていきつつ考察していきたいと思います。

デ・リスキング問題については、元リップル社員のボブ氏も言及していまして、上記で紹介しました、XRPの普及がもたらす地政学的影響という記事でも軽くではありますが触れています。

まずは、元リップル社員のボブ氏の見解を見ていきましょう。
【デ・リスキング問題に関する元リップル社員・ボブ氏の見解】

アメリカの銀行や金融機関は本来アメリカの国外で行われている国際送金の…

・正当性
・コンプライアンスに準拠しているか否かの確認
・不正でないか否か

…の確認に膨大な時間と人件費を費やしているのだ。

アメリカの銀行の多くは、上記の一連の作業に対して費用対効果の観点から、採算が取れないと判断をし始めているため、コルレス口座の閉鎖をし始めている。

アメリカ政府から罰金を請求されてしまうリスクが、コルレス口座を運営することで得られる効用を上回ってしまっているからだ。

金融業界ではこの一連の動きを”the de-risking problem”(リスク軽減問題)と称している。(一部抜粋)(和訳文)

But the crazy thing is that US law says that both Citi and BofA need to screen the transaction between Alice and Bob for compliance with US laws! And if a bad transaction slips through, both Citi and BofA can be fined huge amounts. So in effect, whether Alice in Barbados can do business with Bob in St Lucia becomes dependent on whether or not US banks want to allow it. Even though the transaction doesn’t involve US jurisdiction at all!

The side effect of the US bank’s risk in these transactions is that they’ve started closing the correspondent banking accounts for entire countries. The risk is just seen as too high for the reward (fees) that they can charge. This is called in banking jargon, “the de-risking problem”.(一部抜粋)

BobWay
参考 元のソースXRP CHAT
一言でまとめると?
デ・リスキング問題(De-Risking Problem)とは、コルレス口座の管理・運用をしているコルレス銀行が、規制リスクが高い、または採算の見合わないノストロ口座を順次閉鎖し始めている事象のことを指している

・元リップル社員のボブ氏は現在進行形でコルレス銀行がコルレス口座を閉鎖し始めていると指摘

デ・リスキング問題が拡大していくと、流動性に乏しく、交換ペアが少ないいわゆるExotic・法定通貨が貿易市場・金融市場から締め出されてしまうという懸念がある

調子・のり助

ん〜…イマイチようわからんで〜(そもそも、一言やないし!)
まず大前提として、コルレス口座の管理・運用は、管理元であるコルレス銀行にとって大きな負担となっていることを鑑みなければいけません。

現時点で、全世界のコルレス口座(ノストロ口座・ヴォストロ口座)の預金総額は3000兆円にのぼると言われておりますが、コルレス口座に預託されている資金は運用・投資に回すことができない死蔵金であり、機会損失の塊なんですよね。

管理人

困っちゃん

え…じゃあなんでコルレス銀行はわざわざ負担の重いコルレス口座を管理・運用しているんですか?
つまるところコルレス銀行にとってコルレス口座の管理・運用は既得権益なんですよね…

コルレス銀行は送金指示・依頼を受けた国際送金に対して自行が管理・運用しているコルレス口座が流動性を提供した場合、送金依頼元金融機関からマージンとして仲介手数料を享受することができます。

もう一つ考えられるのは…使命感ですかね?

コルレス銀行が存在することによって、為替市場において流動性が乏しいExotic・法定通貨(新興国通貨など)に対する流動性が提供されるので、コルレス銀行が存在しなければ、それら流動性が乏しい法定通貨を発行している国家は世界の金融市場・貿易市場から締め出されてしまいます…(銀行は営利と利潤の創出をあくまでも追求する事業体であり、ボランティア団体ではないので、単に使命感で動いている可能性は低そうですが…)

管理人

調子・のり助

にゃるほど…ならなんでコルレス銀行はコルレス口座を閉鎖し始めているん?
ここからが今回の記事の本題となるのですが、上記で元リップル社員のボブ氏が仰っているように、コルレス銀行は規制リスクに晒されており(晒されつつあり)、コルレス口座を管理・運用し続けるインセンティブが少しずつ薄れてきています。

ちなみにここで言う規制リスクとは、国際送金を処理する過程で…

・意図せずして何らかの規制を破る
・意図せずしてコンプライアンスに反する行動を取る


…ことで、政府・規制当局から罰則を受けたり社会的制裁を受けるリスクのことを指しています。

先述したように銀行はボランティア団体ではなく、あくまでも利益の最大化を図っている営利目的のアクターです。

もしコルレス銀行にとって、コルレス口座を管理・運営し続けるインセンティブがコストやリスクを下回れば、費用対効果の観点からコルレス口座を閉鎖するという決断は営利企業として至極真っ当な帰結なのです。

昨今、コーポレート・ガバナンスの重要性が叫ばれており、多くの金融機関が外部の第三者機関による監査を受けているということもあり、規制リスクは重く受け止められているのです。

更に、規制リスクのみならずコルレス口座を管理・運用していく上で、赤字を垂れ流しているようなことがあれば、社内のみならず株主などの社外・ステークホルダーからも強く追求されます。

コルレス口座を管理・運用していく上での規制リスクについては、スタンダード・チャータード銀行の担当者が具体的な問題提起をしているので、詳しく見てみましょう。

管理人

【デ・リスキング問題に対する英国スタンダード・チャータード銀行のコルレス銀行業務担当の見解】

(コルレス銀行)のニーズが無いという訳ではない。

貿易・グローバルな投資へのアクセスを提供するコルレス銀行の機能は必要不可欠であることは変わらない。

しかしながら多くの民間銀行は、商業的な観点から見て、コルレス銀行としての機能を継続させることは困難であると感じ始めている。

AML(Anti-Money Laundering・アンチマネーロンダリング)への遵守にかかるコストやリスクが上昇する一方で、個別の取引・決済に対するスクリーニング・精査・モニタリング・監督の更なる引き締めが求められてきている(特に新興国などの経済基盤が脆弱な地域において)。(一部抜粋)(和訳文)

It is not that the need has disappeared. Correspondent banking is essential to provide access to global trade and investment, but many banks now find it commercially unviable to deliver these services. The cost, and risks associated with anti-money laundering (AML) have increased whilst the need for sanctions screening and transaction monitoring are growing, particularly in economically vulnerable markets.(一部抜粋)

Shirish Wadivkar-Global Head, Correspondent Banking Products, Transaction Banking, Standard Chartered
参考 元の記事XRP CHAT
一言でまとめると?
・コルレス銀行のニーズが減少しているわけではない

・コルレス銀行・コルレス口座の機能はグローバル貿易・投資を促進するため必要不可欠

AML(アンチマネーロンダリング)などの規制に遵守するためのコストが増加している一方で、規制周りの煩雑な業務量も増加しており、金融機関の負担が大幅に増加している

管理人

このようにAML(アンチマネーロンダリング)・CTF(Counter-Terrorism Financing・テロリスト集団への資金提供防止)・KYC(Know Your Customer・顧客情報の把握)など、国際的な規制による締め付けが厳しくなるにつれ、コルレス銀行の負担も増加しているのです。

以前XRPの普及がもたらす地政学的影響の記事でも言及しましたが、メキシコの銀行がフィリピンの銀行へ国際送金を行う際に、メキシコペソとフィリピンペソの交換をする際の流動性を多くの場合は米国のコルレス銀行が提供しているのですが、米国とは一切関係のないメキシコからフィリピン間の国際送金にも関わらず、コルレス銀行が米国に拠点を置いているという理由だけで、米国の銀行は米国政府の政府が敷いている規制に則って、メキシコからフィリピン間の国際送金が違法なものであるか否か、隅々まで精査し尽くさなければいけないのです。

上記の精査の過程で、米国の銀行の人件費やリソースが費やされるのです…米国とは全く関係のない二国間の取引なのにも関わらずです…
そこめっちゃ強調しはるなぁ〜笑

調子・のり助

管理人

国際送金に係る国際的な規制が敷かれることは重要なことで、金融機関はコンプライアンス遵守の観点からそれら規制を忠実に遵守しなければいけません、破った場合罰則だけではなく社会的な制裁を受けるからです。

しかし先述した通り、金融機関はボランティア団体ではありません。

もしも、コルレス銀行の機能を継続していく上で、メリットよりもデメリットが上回るような状況に転じた場合、費用対効果の観点から金融機関はコルレス銀行としての機能を速やかに放棄するでしょう(社内からのプレッシャー、株主による追求などにより放棄をせざるを得ない状況に追い込まれる可能性もあります)。
その理屈は何となく分かるのですが…この話がリップル社やXRPとどう関係しているのですか…

困っちゃん

管理人

リップル社はODLを通じて、XRPにより創出される流動性を介して、現状のものより遥かに効率的な国際送金の基盤を提供しようとしています。

以前の文脈ですと、リップル社のODLが拡大するにつれ、コルレス銀行の機能が代替されるので、利害の対立が生じるのではないかというような議論がされていました。

しかし、金融機関にとってコルレス銀行としての機能の継続・コルレス口座の管理・運用のコストの負担が重くなるにつれ、以前まで語られていた上記のような利害の対立は解消され、どちらかと言うと利害が一致するような方向に向かうのではないかと考えております。
なるほどな〜コルレス銀行なんてもうやりたくないから、リップル社!任せるで〜!っちゅ〜感じになるっちゅ〜こと?

調子・のり助

管理人

流石にそこまでトントン拍子とはいきませんが、少なくとも以前まで囁かれていたリップル社とコルレス銀行間の利害の対立・不一致が強まるというよりかは、どちらかと言うと弱まる方向に向かうのではないかと個人的には考えております。

非常にスケールの大きい話ではあるので、一朝一夕で関係がシフトするというわけではなく、長い時間をかけて徐々にシフトしていくという形になるのではないでしょうか。

リップル社自体も送金コリドアの拡大をする際には、各国の法規制の遵守や送金元・受取先取引所の精査などを慎重に進めたいと表明しています。
なるほど…徐々にコルレス銀行が減りつつ、リップル社がマーケットのシェアを獲得していくっていう感じですかね…

困っちゃん

管理人

そうですね、もう一つリップル社の追い風となるような要素があります。

先述したように、コルレス銀行は主に新興国などExotic・コリドアなどの採算の取れない、あるいは規制リスクが高い地域に対して消極的な姿勢を示し始めています。

そんな中、リップル社は流動性が欠乏している、Exotic・コリドアを対象に積極的にODLの導入を進めています(実際に導入もしています)。

そういう意味でも両者の思惑はある意味合致しているんですよね。

リップル社は国際的な規制に関する部門の強化をしてきましたし、各国政府と規制について協議をする体制も築いています。

リップル社も一連のコルレス銀行の減少・デ・リスキング問題に着目していると思いますし、それに基づいて事業を戦略的に進めていると考えております。

今回の記事は以上となります。

最後まで読んで頂き誠に
ありがとうございました。

ではまた次回!