国際送金システムの現状
インターネットの発達により、物理的な距離や時間などに制約されることなく情報(テキスト・画像・動画など)の即時送受信が可能となりました。インターネットの発達により、高度情報化社会が実現しましたが、価値の即時送受信(取引・決済・送金)に関しては、改善の余地を多く残す手付かずの領域となっております。

現在、国境を跨ぐ送金(国際送金)に関しては、ほとんどの場合SWIFTのシステムを介して行われていますが、多くの時間とコストを要する非効率的なシステムです。急速なグローバル化に伴い、国際送金の需要が年々増加している昨今、多くの時間とコストを要するSWIFTのシステムの問題点や課題点が次第に露呈し始めています。この課題を解決するため、リップル社は国際送金の効率化を図るべく、分散型台帳技術や暗号資産・XRPを活用する送金ソリューションの開発・普及を進めています。

困っちゃん

前の章で、国際送金の効率化がXRPの用途・ユースケースの一つとして紹介されていましたね
そうですね、XRPの主要ユースケースの一つは、リップル社が現在開発・普及を進めている送金ソリューションにおいてブリッジ資産として活用されることです。

本章では、現状の国際送金システムの非効率な実態を見ていきつつ、リップル社がインターレッジャープロトコル(以下:ILP)や暗号資産・XRPを自社の送金ソリューションで活用することで、どのようにして国際送金の効率化を図ろうとしているのか詳しく見ていきます!

管理人

調子・のり助

なるほど…単刀直入で申し訳ないんやけど、とりあえずSWIFTって一体何なん?
まずはそこからですね!

では早速、現状の国際送金システムの問題点や課題点を深掘りしていく上で鍵となってくるSWIFTが一体どういったものなのか詳しく見ていきましょう!

管理人


SWIFTとは?

SWIFT(正式名称:国際銀行間通信協会、以下:SWIFT)はベルギーに本部を置く、1973年に設立された非営利法人です。図示されている通り、SWIFTの主事業は金融メッセージング・プラットフォームの提供です。SWIFTが実際に現物のお金や資金の移動を行なっているわけではなく、金融機関や送金業社の間で資金の移動を指示する送金メッセージの送受信を可能とするプラットフォームを提供しています。

11000にのぼる世界中の主要な金融機関や送金業社がSWIFTのプラットフォームを通じて国際送金を行なっていますが、SWIFTを介した国際送金は遅く、高額な手数料を要するだけではなく、ハッキングのリスクにも晒されており、急速なグローバル化に伴う国際送金の需要の増加に伴いSWIFTの脆弱性が次第に露呈し始めています。

困っちゃん

送金メッセージング・プラットフォーム…?送金指示?今回も訳が分かりません…
送金指示とは、とある銀行が異なる銀行に対して送信する送金を指示するメッセージのことです。

詳細は次項以降で深掘りをしていきますが、SWIFTは直接現物のお金や資金を動かしている訳ではなく、この送金指示を銀行同士が互いに送り合えるメッセージング・プラットフォームを提供しているという点だけ頭の片隅に入れておいてください。

管理人

調子・のり助

LINEみたいなもんか!笑
ん〜…ちょっと違うような気がしますが、極限まで簡略化するとそういうことですかね…

銀行がSWIFTのメッセージング・プラットフォームを導入することによって、他にSWIFTのプラットフォームを導入している銀行に対して送金指示を送ることができるようになります。

管理人

困っちゃん

なるほど…ちなみにSWIFTはなんで非効率的なんですか…?
SWIFTを介した国際送金が非効率的な理由を理解する上で重要となってくるのが、コルレス契約・コルレス銀行・ノストロ口座の概念です。

どれも聞き慣れない専門用語だとは思いますが、これらの概念を理解することで、現状の国際送金システムの非効率的な現状を把握しつつ、リップル社の送金ソリューションが暗号資産・XRPを活用することで、どのようにして現状の国際送金システムが抱えている課題を解決しようとしているのか理解することができます。

管理人


国際送金システムの非効率的な現状

次にSWIFTを介する国際送金の非効率的な現状を見ていきましょう。図では、日本のJ銀行からブラジルのB銀行に国際送金がされようとしていますが、J銀行はB銀行と直接コルレス契約(コルレス契約の説明は後述します)を結んでいないため、J銀行からB銀行に直接国際送金をすることができず、J銀行・B銀行両行とコルレス契約を結んでいる米国のU銀行を介して国際送金をしなければいけません。

図示されている例は簡略化されたものですが、場合によっては一つの銀行ではなく、複数の銀行を仲介して国際送金をしなければいけないケースもあり、この一通りの構図が国際送金の効率を著しく下げています。

困っちゃん

え!?直接送金される訳じゃないんですか…?

第三者の銀行を仲介して国際送金をするって…確かに効率悪そうですね…
そうなんですよ…私も調べる前は、直接送金がされていると思っていたのですが、国際送金システムの実情は想像していたより遥かに複雑かつ煩雑で非効率的なものでした。

次項では、先述したコルレス契約が一体どういうものなのか、コルレス契約が現状の国際送金システムでどのような役割を果たしていて、なぜ国際送金システムを非効率的なものにしているのか…詳しく見ていきましょう!

管理人


コルレス契約とは?

コルレス契約とは、金融機関同士が結ぶ契約で、コルレス契約を結ぶと相互にノストロ口座という専用口座を開設し合います。図示されている通り、J銀行とU銀行はコルレス契約を結んでいるので、J銀行はU銀行にノストロ口座を開設し、U銀行も同じくJ銀行にノストロ口座を開設します。相互にノストロ口座を開設後、開設先の銀行が拠点を置いている国の法定通貨を相互に充当・チャージし合います。J銀行は米国に拠点を置くU銀行に開設したノストロ口座に米ドルを充当し、U銀行も同じく日本に拠点を置くJ銀行に設置したノストロ口座に日本円を充当します。

コルレス契約を結んでいる銀行間で国際送金がされる場合、現物のお金や資金を送金するわけではなく、相互に設置し合ったノストロ口座に充当されている互いの資金を振り替えているだけなので、事実上のみなし送金を行なっているだけなのです。

調子・のり助

トロロ???なんや白米にぶっかけたくなるな!ちゅーか、こんなん頭こんがらがるわ笑
ノストロ口座です!(笑)

コルレス契約、ものすごく煩雑な制度ですよね…私も下調べしている時に頭がこんがらがってしまいました(笑)

コルレス契約・ノストロ口座・SWIFTのメッセージング・プラットフォームが現在の国際送金システムの根幹を担っているのですが…

・コルレス契約を結んでいない金融機関同士で国際送金を行う場合、全く関係のない第三者の銀行を介して国際送金を実施しなければいけない点
・ノストロ口座に事前に資金を充当しておかなければいけない点


…など、現在の国際送金システムの煩雑で非効率的な構図の全体像が見え始めてきましたね。

管理人

困っちゃん

頭がパンパンになってきました…早速質問なのですが、前項の最後らへんで言及されていたみなし送金とはどういうことですか?
コルレス契約を結んでいる金融機関同士で国際送金をする場合、相互に互いが拠点を置いている国の法定通貨をすでに充当し合っているので、現物の資金を送金することなく、ノストロ口座に充当されている資金を互いに振り替えるだけで事実上の送金、いわゆるみなし送金が可能だということです。

具体例として、日本のJ銀行がコルレス契約を結んでいる米国のU銀行に10000円を国際送金しようとしていると仮定してみましょう。

直接現物で10000円を送るのではなく、J銀行はU銀行がJ銀行に設置しているノストロ口座に10000円を振り込みます、同時ににJ銀行はJ銀行がU銀行に設置しているノストロ口座から10000円分のドルを引き出します(時価の為替レートに基づいて両替します)。

このようにして、互いに設置し合ったノストロ口座の資金を振り替えたり調整したりすることで、実質的な送金、いわゆるみなし送金を行なっているのです。

管理人

調子・のり助

ふ〜ん。割と理にかなっているやん?非効率的には見えへんけど?
コルレス契約を結んでいる金融機関同士の国際送金は確かに構図もシンプルですし送金(みなし送金)自体も早いですが、事前に相互のノストロ口座に資金を充当しなければいけないという点を留意しなければいけません。

また、コルレス契約を結んでいない金融機関同士での国際送金は前項で先述した通り、第三者の金融機関を仲介して国際送金を実施しなければいけず、煩雑で非効率的で多額の手数料や時間など多くのコスト要します。

次項では更に詳細に現在の国際送金システムの非効率的な実情を深掘りしていきます!

管理人


現状の国際送金は高いコスト

では次に、SWIFTを介した国際送金がなぜ多くの時間・多額の手数料を要するのか詳しく見ていきましょう。図示されている例では、日本在住の送金人Xがブラジル在住の受取人Yに国際送金をしようとしています。

J銀行とB銀行はコルレス契約を結んでいないので、両銀とコルレス契約を結んでいるU銀行を仲介して国際送金が処理されます。まず、J銀行からU銀行にSWIFTを介して送金指示が送信されますが、この時点で①送金手数料が発生します。U銀行は送金指示を受け取ると、その送金指示がどの銀行を対象とした送金なのかを精査するため②時間がかかります。B銀行を対象とした送金指示だということが判明すると、U銀行からB銀行に送金指示が送信されますが、その際に再び③送金手数料が発生します。最後にB銀行はU銀行から受け取った送金が、自行のどの口座(顧客)を対象とした送金なのかを調べるため再度精査に④時間がかかります。このようにSWIFTやノストロ口座を介した国際送金は多くの手数料と時間を要するのです。

その上、送金者Xと受取人Yは送金が完了するまで、送金にどれくらいの時間と手数料がかかるのか、実際に着金するまで不明の状態なのです。また、2度に渡り発生する両替手数料(日本円→米ドル→ブラジル・レアル)を考慮すると更に多くのコストがかかることが分かります。今回の例は単一の銀行を仲介しての送金を想定したものですが、複数の銀行を仲介した国際送金の場合、更に多くの手数料と時間を要すことは想像に容易いと思います。

調子・のり助

SWIFTのシステムが効率悪いっちゅ〜ことは十分分かったんやけど、そないに効率悪いんやったらなんでみんな使ってるん?
その理由は、SWIFTが早い段階で国際送金システムの構築に着手をしたという点で、SWIFTは早期にシェアの拡大を図ることができたからです。

SWIFTが他に先んじて市場のシェアを抑えることができたので、国際送金網の大方のシェアを獲得できたという、先行者優位性の典型的な例です。

ネットワーク・プラットフォームは一度大方のシェアが獲得され、盤石な基盤が構築されてしまうと、後発者がシェアを奪うのは困難を極めます。

加えて、SWIFTのシステムは非効率的とは言え、国際送金を処理する必要最低限の機能は果たせているので、利用する金融機関や送金業社もSWIFTの非効率的な側面に慣れてしまったとも言えると思います。

管理人

困っちゃん

大方のシェアを抑えられて、利用者も慣れてしまったら元締めとしても殿様商売ができちゃいますね…確かに旧態依然のシステムが出来上がりやすい環境にあったのですね…
はい、新たな国際送金システムの構築は途方もないほど難しく、気が遠くなるような壮大なプロジェクトです。

そんな中、リップル社は…

・旧態依然の現状をなんとか打開できないか
・情報は瞬時に送受信できるのに、価値の送受信に多くのコストがかかるのはおかしい
・インターネットがここまで発達し、グローバル化も急速に進んでいる中、価値の送受信に多くのコストがかかるのはおかしい


…このような問題提起のもと、国際送金・価値の交換や送受信の効率化という壮大なプロジェクトに挑戦しているのです

実際にリップル社がどのようにして国際送金の効率化を実現しようとしているのか、その過程でILP技術・分散型台帳技術・暗号資産・XRPを活用しようとしているのか、次項で詳しく見ていきましょう。

管理人


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コインチェック

リップル社の送金ソリューション

xCurrentは、異なる規格の台帳を繋げる標準規格化プロトコルILP(インターレジャー・プロトコル)を活用するリップル社の送金ソリューションの一つです。ILPに備わっている経路探索アルゴリズムにより、送金を実行する前に最適の送金ルートを瞬時に割り出すことでき、送金の効率化を実現します。また、ILPは双方向メッセージング機能も備えているため、送金情報の完全な見える化を実現し、送金にかかる手数料や時間も瞬時に割り出すことができます。

リップル社のもう一つの送金ソリューションであるODL(オンデマンド・リクイディティー)は、暗号資産・XRPというカウンターパーティリスクの伴わないブリッジ資産により創出された流動性を利用することで、コルレス銀行やノストロ口座の仲介を必要としないワンステップの即時送金を実現します。

リップル社の上記の送金ソリューションは、SWIFTのシステムと比較して発生する手数料を大幅に減らすだけではなく、高速かつ透明性の高い効率的な国際送金を実現します。xCurrentとODLの仕組みについては、後々の章でより詳細に深掘りをしていきます。

困っちゃん

うわぁぁぁ…聞いたことがない専門用語が雪崩のように押し寄せてきた〜…頭がパンクします!
リップル社の送金ソリューションやXRPについての話になると、専門用語のオンパレードになってしまうんですよぉ…(泣)

管理人

調子・のり助

ちゅーかリップルの送金ソリューションの詳細、今回の章で深掘りするんとちゃうんかい!後々の章って、焦らすんかい!
すみません…(泣)

XRP-101では、xCurrentやODLなどのリップル社の送金ソリューションに関しましては…

・インターレッジャー・プロトコル(ILP)の仕組み
・全てのXRPの取引・決済・送金を処理している分散型台帳プラットフォーム・XRPレジャーの仕組み
・XRPレジャーの承認技術であるコンセンサス・アルゴリズム


…など、様々な前提知識や何層にも渡るロジックの積み上げた上で最後に説明をするという構図になっております。

というのも、上記の技術的な仕組みについての前提知識をあらかじめインプットしておいた方が、リップル社の送金ソリューションの優位性や有用性がより分かりやすくなるからです。

本章の目的はあくまでも現状の国際送金システムの非効率的な実態について知って頂き、リップル社の送金ソリューションが現状のSWIFTのシステムと比べてどういった形で優位なのか、暗号資産・XRPの主な用途・ユースケースが国際送金の効率化だということをインプットして頂ければと考えております。

次項では、SWIFTのシステムと比べてリップル社の送金ソリューションが実際どれほど優位なのか、どれくらいコストを下げられるのか、詳しく見ていきます。

管理人

困っちゃん

…誰か…バファリン持っていますか…(倒)

コストの比較

図示されている通り、金融機関や送金業社がリップル社の送金ソリューションであるxCurrentやODLを導入することで国際送金に係るコストを大幅に削減することができます。

リップル社の試算によると、xCurrentを介した国際送金は、SWIFTのシステムと比較して約33%のコスト削減が見込まれています。ODLに至っては、SWIFTのシステムと比較して実に約60%のコスト削減が見込まれています。今後急速なグローバル化に伴い、国際送金の需要が大幅に増加することが見込まれていますが、利益率の向上・業界における優位性の担保の観点から、金融機関や送金業社は国際送金の大幅なコスト削減・負担の軽減を実現するリップル社の送金ソリューションは、SWIFTのシステムと比較してより適当であると判断するのではないでしょうか。

調子・のり助

なるほどなぁ〜…リップル社の送金ソリューションの方がSWIFTのシステムよりコストが低いっちゅーのは分かったんやけど、それだけで果たしてSWIFTが何十年間もかけて構築してきたネットワークからシェアを奪うことなんてできるん?
実はSWIFTのシステムを介した国際送金には、高額な手数料・遅い送金だけではなく、より大きな問題があるのです…

管理人

困っちゃん

え…!?より大きな問題!?
はい、以前の項でもお伝えしましたが、金融機関同士でコルレス契約をする際に、双方のノストロ口座に資金を充当しますよね、このノストロ口座が大きな問題を生み出しているのです

管理人


ノストロ口座がもたらすもう一つの弊害

現状のSWIFT・ノストロ口座ベースの国際送金システムは、送金の遅さ・手数料の高さ以上に、ノストロ口座に預金されている資金が死蔵化しているという深刻な問題を抱えています。前項で先述した通り、コルレス銀行の役割を果たしている金融機関はコルレス契約を結んでいる金融機関先にノストロ口座を開設し、そこにまとまった資金を充当しなければいけないのですが、ノストロ口座に充当されている資金は運用・投資をすることができない死蔵金となってしまうのです。

全世界でノストロ口座に死蔵されている預金の総額は2000兆円から3000兆円と言われていますが、リップル社の暗号資産・XRPを活用するODLを導入することで、ノストロ口座に死蔵されている資金は解放され、金融機関は本来死蔵されていた資金を投資や運用に回すことができるようになることが期待されています。

困っちゃん

なるほど…これは確かに大きな問題ですね…

2000兆円から3000兆円って、想像もできないぐらいの大金ですね…先進国の国家予算と匹敵するレベルなんじゃないですか?
そうなんですよ…日本の年間国家予算が一般会計と特別会計を合わせても約300兆円ですからね。

膨大な資金が全く運用されることなく、全く活用されることなく、ただただ眠っているだけなので、金融機関にとってノストロ口座に死蔵されている資金は機会損失の塊なんですよね。

この2000兆円〜3000兆円のまとまった資金をより建設的なことに活用できたら…と考えるともったいないですよね。

管理人

困っちゃん

リップル社の送金ソリューションが国際送金をより安く、早くするということは前項でも説明されていましたが、このノストロ口座の死蔵金の問題とはどう関連しているんですか?

ノストロ口座の死蔵金を解放すべく…

現状の国際送金システムは前項で紹介したノストロ口座によって創出される流動性を利用し、送金を処理しています。結果として、現在世界中のノストロ口座には約2000兆円〜3000兆円の資金が死蔵されています。

金融機関が前項で紹介したリップル社のODLという送金ソリューションを活用することで、ノストロ口座により創出される流動性を介さずとも、XRPというカウンターパーティリスクの伴わない暗号資産により創出される流動性を活用することで、より効率的に国際送金を処理することができるようになります。ノストロ口座を介する必要が無くなるので、金融機関はノストロ口座に資金を充当する必要性が無くなり、今までノストロ口座に預託してきた多額の資金を運用や投資などのより建設的な用途に回すことが可能となります。

管理人

リップル社は、自社の送金ソリューションを通じて国際送金の効率化を図っていますが、最終的なエンドポイントは、ノストロ口座に死蔵されている資金の解放です。

もちろんこれは容易いことではありません、ノストロ口座に代わりODLを介してXRPが国際送金を処理するための流動性を創出することがリップル社の目標なのですが、この壮大なビジョンを達成する前に…

・各国の規制当局との整合取り
・XRPの流動性の向上
・提携先取引所の拡大
・金融機関との密接な提携


…など、リップル社が乗り越えなければいけないハードルがいくつもあります。

また、ノストロ口座自体が大手金融機関の既得権益(手数料の徴収)となっているので、リップル社と金融機関間での利害関係の一致や折衝もキーとなってきます。
なるほど…リップル社はほんまに壮大なことをしようとしているんやな…ところでこの「流動性を創出する」っちゅ〜のはどういうことや?

調子・のり助

管理人

流動性というのは、特定のアセットや資産(法定通貨・証券・不動産・ゴールドなど)が市場でどの程度取引(売り買い)されているかを計る指標です。

例えば、比較的市場が成熟している法定通貨の為替市場(特に需要が高い米ドル・ユーロ・日本円・英ポンドなど)では頻繁に取引(売り買い)がされているので、流動性が高いです。

対して、不動産などは売りに出してもすぐに買い手が付きにくい資産なので、流動性が比較的低いです。

ノストロ口座は主に国際送金を処理するために、特定の法定通貨間での流動性の創出を行なっています。

例えば以前の項で見てきたJ銀行とU銀行の例では、ノストロ口座は日本円と米ドルの流動性の創出という役割を果たしています。

リップル社が提供しているODLという送金ソリューションは、国際送金を処理する際に求められる流動性の創出をノストロ口座ではなく、暗号資産・XRPで代替しようとしているのです。

今回は障りだけですが、ODLやXRPの流動性については最後の章で詳細に掘り下げていきます。

管理人

本章はこれで以上となります、非常に長い章となってしまいましたが、最後まで読んで頂き誠にありがとうございました。

本章では、前章のXRPの概要でお伝えしたXRPの主な用途・ユースケースが国際送金の効率化であるという点に焦点をあて、掘り下げていきました。

本章ではまず現在の国際送金システムの問題点を掘り下げ、リップル社がそれらの問題をどのように解決しようとしているのかを見ていきました。

また、リップル社が国際送金の効率化を図る上で、どのようにしてXRPを活用しようとしているのかも見ていきました。

非常に長い章とはなってしまいましたが、本章はXRP-101の中でも特に重要な章となっており、XRPがどのように活用されようとしているのか、なんのために存在するのかの肝の部分を詳細に掘り下げていきました。 次章ではリップル社が掲げているもう一つのビジョンである価値のインターネットの実現に向けて、どのようにXRPを活用しようとしているのかを詳細に掘り下げていきます。

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