XRPレジャーの非中央集権性
XRPレジャーは、分散型台帳プラットフォームであり、リップル社単体によって管理されているわけではありません。また、前章でも先述した通り、XRPの全てのトランザクション(送金・取引・決済)は、XRPレジャー独自の承認技術であるコンセンサス・アルゴリズムを通じて処理されており、複数のバリデーターが全てのXRPのトランザクションの精査・承認作業を行なっています。

XRPレジャーは、単一の主体による中央集権的な管理をされておらず、複数のノードにより分散管理をされているため、非中央集権性が確立されております。

調子・のり助

ず〜っと前からXRPレジャーが非中央集権的なプラットフォームやって言ってはるけど、そもそも非中央集権ってどういう意味なんや?
確かに、まずはその説明からですね!

昨今、分散型台帳技術やブロックチェーン技術など、システムやプラットフォームの管理や権限の分散化・非中央集権化を目的とする多くの技術が台頭してきていますが、この非中央集権とはそもそもどういう概念なのか、あくまでも私個人の考えではありますが、下記で私の考察をまとめさせて頂いております。

管理人


非中央集権の定義

XRPレジャーの非中央集権性を見ていく上で、そもそも非中央集権的なプラットフォームとはどういったものなのか、どのようにしてXRPレジャーがその定義に当てはまるのか、詳細に見ていきたいと思います。

とあるプラットフォーム・システムが非中央集権的であるか否か、管理の権限が十分に分散されているか否かを測る上で重要となってくる指標が下記の三つの要素であると個人的には考えております。

・単一障害点(Single Point of Failure)が無いこと
・各ノードの権限が公平であること
・あらゆる権限へのアクセスが公平でオープンであること

管理人

上記では、非中央集権的なプラットフォーム・システムの私なりの定義をお伝えしましたが、次に、上記の定義がXRPレジャーにどのように当てはまるのかを詳しく見ていきましょう

XRPレジャーの非中央集権性

前項で取り上げた、非中央集権的なプラットフォーム・システムの定義がXRPレジャーにも当てはまるのかを見ていきましょう。

・単一障害点(Single Point of Failure)が無いこと
リップル社が今日無くなったとしても、XRP(XRPレジャー)は存在し続ける。私にとって、この厳然たる事実こそが(XRPレジャーの)非中央集権性を裏付ける歴然たる証左であると考えている(和訳文)(一部抜粋)』
-リップル社CEO・ブラッド・ガーリングハウス氏

・各ノードの権限が公平であること
端的に、XRPレジャーは、単一の主体による中央集権的な管理を受けない、本質的に非中央集権的で民主主義的な合意形成メカニズムによって裏付けられているプラットフォームである(和訳文)(一部抜粋)』
-リップル社CTO・デイビッド・シュオルツ氏

・あらゆる権限へのアクセスが公平でオープンであること
XRPレジャーは、以前の章でも先述した通り、そのソース・コード(根底のプログラム)がオープン・ソースであるため、アクセス権・活用する権利・検証する権利が万人に与えられおり、また、XRPレジャーのエコシステムに参加する権利も公平に万人に開かれています。

管理人

上記では、リップル社の要人のお言葉をお借りして、XRPレジャーがどのようにして非中央集権的プラットフォーム・システムの定義に当てはまるのかを見ていきました。 とは言え、上記の説明ですと、やや抽象的なので、より具体的な例を用いて、XRPレジャーがどのように非中央集権的なのかを見ていきます。

今回の例でも、前章の例で用いた、オフィス(XRPレジャー)・職員(ノード)・ノート(XRPレジャーの台帳)を再び用いますので、先に前章をご覧になった上で下記をご覧になって頂けると、より理解がしやすいと思います。
またあの例か〜!!!笑

調子・のり助

管理人

まず、前章同様、とあるオフィス(XRPレジャー)が全てのXRPのトランザクション(送金・取引・決済)を処理しているXRPレジャーであると仮定します。

そして、そのオフィスには100人の職員がいて、その職員はノードとして例えます。

この100人の職員(ノード)の机上には、ノート(XRPレジャーの台帳)が置かれており、そのノート(XRPレジャーの台帳)にXRPのトランザクションの記録だけではなく、XRPの所在場所(どのウォレットにどのくらいのXRPが預託されているか)が記されています。

XRPのトランザクションが新たに承認される度に、100人の職員(ノード)は、ノート(XRPレジャーの台帳)に、新たに承認されたXRPのトランザクションの記録を記し、XRPの所在場所の記録を更新します。

上記のことを踏まえると、XRPのトランザクションやXRPの所在場所に関する記録は分散されており、非中央集権的なシステムが確立されていることが見て取れます。
え?なんでそれで分散されていると言えるのでしょうか?

困っちゃん

管理人

例えば、中央集権的に管理されている台帳の場合、実質一つのサーバーに全てのデータが保管されているような形になるので、上記の例に則ると、職員(ノード)が一人しかいないような状況なんですよね。

つまり、ハッカーによる外部からの何らかの攻撃を受けた場合、その一人の職員(ノード)の机上にある、一つのノート(台帳)を対象に攻撃を仕掛ければいいので、中央集権的なプラットフォームがいかに脆弱であるかが見て取れます。

とは言え、大企業であれば、情報やデータを複数のサーバーで分散管理をしたり、外部からの攻撃を防止するためにセキュリティー網を張り巡らせたり、脆弱性をカバーするためにあらゆる方法を講じていますが、破綻リスクやモラル・ハザード・リスク(内部不正のリスク)は、依然として介在します。

その反面、XRPレジャーの場合ですと、職員(ノード)が100人いて、ノート(XRPレジャーの台帳)も100冊あるので、ハッカーが外部から何らかの攻撃をXRPレジャーに加える場合、100人の職員(ノード)の机上にある、100冊のノート(XRPレジャーの台帳)の大多数を対象に、同時多発的に攻撃を仕掛けなければいけず、それは、どんなに能力の高いスーパーハッカーの腕をもってしても実質的に不可能です。

また、XRPレジャーは企業ではないので、破綻リスクが無く、モラル・ハザード(内部不正)が起こることもありません。
なるほど…なんとなく分かりました…(後でまた読み返そうっと…)

困っちゃん

調子・のり助

身も蓋もない質問をしてもええ?
は、はい(汗)ゴクリ

管理人

調子・のり助

XRPレジャーが非中央集権的なプラットフォームやっちゅ〜ことは、よ〜〜〜く分かってんけど…非中央集権である必要ってあるん?まぁ…確かにセキュリティーがしっかりしとるっちゅ〜こともよ〜〜〜く分かってんけど、それ以外に非中央集権やないといけない理由ってあるん?
なるほど!

確かに、本章を含めて、これまでの章でも、XRPレジャーが非中央集権的な分散型台帳プラットフォームであることを縷々お伝えしてきましたが…

なぜ、非中央集権的でないといけないのか

…については、まだ言及していなかったですね!

それについては、次項で詳しく見ていきます!

管理人


非中央集権的プラットフォームの必要性

XRPレジャーは、リップル社を含め、いかなる主体(個人・組織・企業・国家)による恣意的な管理・操作や影響を受けない公共的な非中央集権的・分散型台帳プラットフォームです。

非中央集権的なシステム・プラットフォームには、本章を含め、これまでの章でも取り上げてきた通り、多くのメリットがありますが、最大のメリットは、カウンターパーティリスク(Counter-Party Risk)の懸念が無いことです。XRPレジャーにおいても、カウンターパーティリスクが無いため、リップル社のみならず、あらゆる主体に対して、多岐に渡る活用の機会をもたらします。透明性が高く、また、カウンターパーティリスクの懸念が無い、非中央集権的な分散型台帳プラットフォームであるXRPレジャーは、社会全体に多くの効用をもたらし、社会全体の発展に大きく資する存在として期待をされています。

管理人

XRPレジャーに限らず、非中央集権的なプラットフォーム・システムの最大のメリットの一つは、カウンターパーティリスクの発生懸念が無いことです
いやいや〜、ちょい待てぃ!そもそも、カウンターパーティリスクってなんやねん!宴会か!?パーティか!?

調子・のり助

管理人

カウンターパーティリスク…普段あまり耳にすることのない用語だと思いますが、主に金融の分野で用いられている専門用語です。

カウンターパーティリスクの概念は、XRPレジャーなどの非中央集権的なプラットフォーム・システムの存在意義・重要性を理解する上で、非常に重要となってくる概念なので、カウンターパーティリスクとは一体どういうものなのか、少しずつ解剖していきましょう。

まず…

カウンターパーティ

…自体が金融の分野で用いられている専門用語の一つで、意味としては…

取引相手・取引関係にある相手方の金融機関(企業)

…を指しております。

語尾に、リスクという単語が付くことにより、意味が…

取引関係にある相手方の金融機関(企業)が破綻(デフォルト)・資金繰りに失敗し、当初取り決めていた取引内容の(相手方の金融機関(企業)による)履行が不可能・困難となってしまうリスク

…となります。 破綻(デフォルト)や資金繰りの失敗以外にも…

・人的要因(単に約束を破られてしまう・モラル・ハザード・不祥事)
・外部的・環境的要因(経済破綻・国家破綻)


…など、カウンターパーティリスクは、さまざまな形で顕在化する可能性がある潜在的リスクの一つです。
なんやダラダラ書いとるけど、要は取引相手に取りっぱぐられるリスクっちゅ〜ことやな!

調子・のり助

管理人

た、端的に言うとそういうことになりますね(汗)

カウンターパーティリスクの抽象的な定義を見てきましたが、次に、カウンターパーティリスクの意味をより深く理解するため、具体例を見ていきましょう。

とある銀行に預金口座を開設し、お金を預けていたとします。

預金口座を開設するという行為は、広義の意味では、当該銀行と取引を行っていることと同義なので、厳密には、その銀行はあなたの取引相手(カウンターパーティ)となります。

銀行は、一般的に倒産リスクが低いとされていますが(特に規模の大きいメガバンク)、万が一当該銀行が破綻してしまった場合、当該銀行に預金していたお金が戻ってこない可能性があります。

上記のリスクこそが、カウンターパーティリスクの典型的な例です。
なるほど…なんとなく分かってきたような気がします…

ちなみに、この話とXRPレジャーはどう関係しているんですか?

困っちゃん

管理人

先述した通り、XRPレジャーは、XRPのトランザクションや所在場所の記録に加えて、XRPのトランザクションの精査・承認の権限が複数の主体(ノード)間で分散されている、非中央集権的な分散型台帳プラットフォームなので、中央集権的に記録や情報の管理を行っている金融機関に介在するカウンターパーティリスクの懸念が払拭されているのです。
ん〜。言いたいことは分かるねんけど、イメージがイマイチ掴めへんなぁ…

調子・のり助

管理人

インターネットと比較すると分かりやすいかもしれません。

インターネットは、一つの中央集権的な主体によって管理されているわけではないですよね?

インターネットの管理の権限は、長年かけて分散され、今では公共的なインフラとして社会にとって必要不可欠な存在となりました。

XRPレジャーも、インターネットと同様、公共的・非中央集権的な特性を備えているため、XRPレジャーを利用・活用している(しようとしている)主体(個人・組織・企業・金融機関)は、カウンターパーティリスクの懸念を危惧する必要がないのです。

管理人

本章では、XRPレジャーがどのようにして非中央集権性を確立しているのか、また、非中央集権的であることのメリットを詳細に見ていきました。

XRPレジャーは、リップル社が掲げている国際送金の効率化・価値のインターネットのビジョンを実現するために活用されています。

XRPレジャーは今後、リップル社だけではなく、多岐に渡る多種多様な用途で活用され、社会の発展に資することが期待されています。

XRPレジャーの汎用的・広範なユースケースは、XRPレジャーが非中央集権的な分散型台帳プラットフォームであり、カウンターパーティリスクの懸念が排除されいていることに依拠している部分も多くあり、将来的には現在のインターネットのような公共的なインフラとして広く活用されることが期待されています。