今回のてにログでは...
てにったーさんが、2020年6月8日にリップル社が配信したODLの今後の方針(メインターゲットを中小企業へシフト・少額かつ高頻度送金にフォーカス)に関する記事に記されている”large treasury payments”の意味を解説・分析しつつ、ODLが今後真価を発揮するために求められてくる要素などについて、丁寧に考察をしてくれています(配信日:2020年6月11日)

てにったー

この記事で”large treasury payments”(まとまった額の送金)という言葉が使われています。

参考 Staying the Course in Remittances and SME PaymentsRipple

てにったー

リップル社がどこからどこに向かおうとしているのか理解する上で重要な部分なんだと思いますが、これの解釈は意見が分かれるところだと思います。

あくまで参考までに私個人の解釈と展望を共有したいと思います。

てにったー

私の解釈はおそらく最も単純なものです。

一言で言うと、銀行や送金業者が客から請け負った送金の「束(たば)」という認識。

日本から米国に銀行送金する例で考えると毎日決まった時刻、例えば14時までに受け取った客からの送金を全部束ねて1日1回決済します。

また、この時の為替レートは時々刻々変わるのではなく、毎日決まったタイミングで決定される固定レートが採用されます。

なので11時に来た客も14時に来た客も、前日の営業時間ぎりぎりに来た客も全員に同じレートが適用されます。

このように束ねた方が処理が1日1回で済むので。

おそらくこれは銀行だけでなく、多くの送金業者でも同じかと思います。

「いやいや,うちが使ってる所はすぐに着金するよ」と思う方もいらっしゃるかもしれませんが、それはツケの状態で進められているだけで、裏で実際の資金が動く(決済する)のはもっと後だというパターンが多いと思われます。

このやり方(バッチ)のメリットは処理が少なくて済むことです。

一方、デメリットは決済スピードが遅いことです。

それともう1つ。

コストです。

時々刻々変化する為替に対して1日のレートを固定するということは為替リスクを機関が負ってることを意味します。

このリスクは送金コストに転嫁されます。

さてXRPブリッジ送金(ODL)は1~2分で決済完了します。

これをこの形のまま使えば為替リスク分のコストを抑えることができるのです。

では「ODLを利用中のマネーグラム(MG)は今そうなってるのか?」ですが、答えは「NO」です。

これは彼らのODLトレードパターンから明らかです。

参考 ODLトレードパターンツイッター(@tenitoshi)

てにったー

つまりMGでさえも現在は客の複数送金を一定期間貯めてからまとめて処理しているのです。

こうなるとその”期間”の初めと終わりでは為替が変わるリスクがあるのでODLのコスト優位性をフルに発揮しているとは言えません。(その他の部分のコスト優位性は効きますが。)

また「ツケ」か何か特別な仕掛けを使ってない場合は、当然着金するのに時間がかかることになります。

したがってPayPay、Alipayで即着金するのと同じ感覚で、米国⇒メキシコへ国際送金がまだできていない可能性が高いのです。

この状況はリップル社が元々目指しているリアルタイム送金とは言えません。

今回の記事は、このようにノストロ口座でないODL決済ですら実はまだ実現されていないリアルタイム送金(+更る低コスト)を目指すという意思表明でもあります。

この実現にはひょっとしたら、従来方法と併用中のMGよりももっとフットワークの軽いパートナーの方が相性が良いかもしれません。

以上の観点から私は、法人(特に中小企業)を顧客に多く持つ比較的新しい送金業者がODLを稼働させてくれることに期待しています。

以上。


おねがい
てにログで記録・まとめている内容は、投資のアドバイス・助言ではないことをあらかじめご留意頂けますと幸いです