また、上記を踏まえた上で、暗号資産(仮想通貨)の存在意義についても丁寧に解説をしてくれています。(配信日:2018年10月19日)
てにったー
まずは仮想通貨を一旦忘れて法定通貨ベースで説明させて下さい。
2つの違いを一言で表すとこんな感じ↓
①セトルメント=「現金」の移動
②ペイメント=「所有権」の移動
なおここで言う「現金」とはいわゆる千円札のような物理的な現金だけではありません。
日本円で言えば、日銀ネット上の数字(データ)も「現金」に該当します。(量はむしろこっちの方がずっと多い。)
そしてこの「データ版の現金」を直接扱えるのはごく一部。
日銀に口座を持つ日本の金融機関だけです。
なので円について言うと…
①セトルメント=「現金」の移動、とは…
・紙幣のような物理的なお金の移動
・国内の銀行による日銀口座間の移動
…の2種類になります。
注:ここでは日銀やリップル社が使う「セトルメント」の意味を説明します。
業界によっては別の意味として使う場合もあります。
次に②ペイメント。
ペイメントとは「所有権の移動」を意味します。
どういうことかと言うと、「所有権」とは例えば…
・Suicaにチャージされた残高
・個人の銀行口座の残高
…等です。
これらはJRや銀行が裏付けの価値を保証している単なる数字です。
与信とか信用とかIOUとか呼ばれる事もあります。
JRの券売機で1000円札を投入しSuicaにチャージした時、そのSuicaには1000円分の所有権が付与された、という感じです。
このような「所有権」のことを界隈でよく使う「IOU」と呼ばさせて下さい。
“I Owe You.(借りを作った)”という言葉の略語です。
イメージしやすくするため例を挙げます。
Suicaにチャージしたとします。
SuicaにIOUとしての数字がデータとして記録されます。
私達はJRを信用している状態になります。
JRが価値を保証してくれる、と。
ここでAさんが駅でSuicaに1000円をチャージし、翌日コンビニでSuica払いをする例を考えてみます。
Aさんは現金1000円札を駅の券売機に入れたことでJRは現金を受け取ります。
受け取ったJRはこれを現金で保有し続けるか、またはX銀行にあるJRの口座に預けるか選べます。
今回は銀行口座に預けたとしましょう。
一連の操作でAさんのSuicaには1000円分のIOUが記録され、X銀行に裏付けの1000円が入ります。
翌日、Aさんがコンビニで200円のコーヒーを買ったとします。
Aさんはコンビニの読取機にSuicaをタッチ。
200円が差し引かれ支払い完了。
無事コーヒーを受け取りお店を出ました。
このコンビニでの買い物はセトルメント(現金移動)ではなくペイメント(IOU移動)にあたると言えます。
なぜならSuica読取機にタッチしてピッとなったコンマ数秒の間では、コンビニ側は「現金」を受け取ったわけでもないし、コンビニの銀行口座に200円が追加されたわけでもないからです。
コンビニは単純にAさんからデータという形で「所有権(IOU)」を受け取っただけなのです。
俗っぽく言うとこれは「ツケ」の状態と言えるでしょう。
コンビニは「現金」を受け取らないままAさんにコーヒーを渡してしまったので。
では最終的に現金はいつ動くのか?セトルメントはいつ完了するのか?
それはX銀行にあるJRの口座からY銀行にあるコンビニの口座に資金が完全に移動した時です。
もっと厳密に言うと日銀ネット内の「データ版現金」が移動した時です。
X銀行の口座⇒Y銀行の口座、と。
このデータ移動は現在の全銀システムでは(たしか)1日1回しか行われないので、それを待って初めてセトルメント完了と言えます。
我々の日常はいわゆる「物理的な現金」払いを除くと、ほぼ全てがペイメント(IOU移動)で済ませていることに気付きます。
Suicaは勿論のこと、クレジットカード払いやLINE Payでの送金も基本的にIOU移動です。
現金は同時に動いてないので。
銀行振込だって「即時」に反映される残高はペイメントです。
なぜこんなに現金主義じゃなくIOU主義なのか?
それは、その方が圧倒的に速くて効率的だからです。
所有権の移動だけなので、Suicaをタッチしてデータを書き換えるだけ。
コンマ数秒以内で完了するのです。
これはある意味「ツケ」という信用で世の中がうまく回っていると言ってもよいと思います。
てにったー
BTCやXRPといった仮想通貨の大きな特長は、誰でも扱える「データ版現金」であることです。
ここが、日本の金融機関しか扱えない日銀の閉ざされた「データ版現金」とは大きく異なる点です。
なので仮想通貨は「誰でも扱えるセトルメント機能」を特長としています。
というかこれが最大にしてほぼ唯一の特長といっても過言ではありません。
では今までの信用をベースにしたペイメントの世の中を、仮想通貨によるセトルメントの世の中に置き換えられるか?と言ったら実はほぼ絶望的です。
理由は簡単です。
仮想通貨の性能が絶望的に低いからです。
最も高性能な部類のXRPで考えてみます。
・決済速度4秒以下 ⇒Suicaの「ピッ」に圧倒的に劣る
・手数料ごく僅か ⇒無料のSuicaに負ける
・処理量1500回/秒 ⇒Suicaは路線バスのようなオフラインでもOK。実質無限大。 全然ダメダメです。
ちなみにXRPの処理能力1500回/秒とは1日で換算すると1.3億回です。
日本人が1日1回取引しただけでパンクします。
BTC,BCHは言わずもがな。
ということで何が言いたいかというと仮想通貨の最大のメリットである「誰でもセトルメント」というのは日常生活では殆ど使えない、ということです。
ここまでダメなところを示されると「仮想通貨って実は全然使えないのか」と思われるかもしれません。
しかし実はわずかながら仮想通貨が活躍できる余地があるのです。
それが国際送金です。
今までお話ししてきたのは日本国内の取引の話。
同一国内だったら資金のたまり場である各銀行が共通のネットワークにいるため信用(ツケ)という方法がうまく回ります。
しかし一歩海外に目を向けると、この「信用」というものが全く効かないケースが頻発します。
例えば日本AさんがSuicaを使ってブラジルBさんに送金する例。(円⇒レアル)
今までと同様、Suicaのチャージ、つまりIOUのデータをブラジルにそのまま送ったとします。
そしてAさんはBさんに次のように言います。
「これ日本円と等価だよ。」
おそらくブラジルのBさんの返事はこんな感じでしょう。
「レアルの方が良いけど日本円でもいいや。でもそのかわり現金にしてくれ。」
IOUとは手形みたいなものです。
JRのIOUや日本の地銀のIOUなんてブラジルでは手形として通用せず、交換するには大変な労力が必要になります。
リップル社はここにこそ仮想通貨の存在意義がある、と目を付けました。
つまり仮想通貨は誰でも扱えて、世界中を素早く動かせる「現金」であるという一点。
飛行機じゃないと運べない紙のお金や、日本から飛び出せない日銀のデータには無い特長です。
国際送金が今まで摩擦だらけだったのもインターネットを通して自由に動かせる「現金」が存在しなかったからです。
リップル社は、仮想通貨の最大のユースケースは国際送金であるということに気付きました。
そして、海外送金にて最大のネックとなっていた「セトルメント」という機能にXRPを特化させたのです。
長くなりましたが最後に以上をまとめます。
てにったー
セトルメント=現金移動
ペイメント=IOU移動
ペイメントで成り立つ日常生活には、仮想通貨の性能はあまりに低くて存在意義に乏しい。
ただし海外送金は現金でないと摩擦が大きい。
ここに仮想通貨最大の特長であるセトルメント機能が生きる。
リップル社はここに目を付けた。
以上です。
ご質問の内容は
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
セトルメント&ペイメントの違いとXRPの関係
ですね。
仮想通貨の存在意義に関わる大変重要なポイントです。
まずは仮想通貨を一旦忘れて法定通貨ベースで説明させて下さい。
2つの違いを一言で表すとこんな感じ↓
①セトルメント=「現金」の移動
②ペイメント=「所有権」の移動
1/ https://t.co/9Q23kkgAqI
なおここで言う「現金」とはいわゆる千円札のような物理的な現金だけではありません。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
日本円で言えば、日銀ネット上の数字(データ)も「現金」に該当します。(量はむしろこっちの方がずっと多い。)
そしてこの「データ版の現金」を直接扱えるのはごく一部。日銀に口座を持つ日本の金融機関だけです。2/
なので円について言うと
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
①セトルメント=「現金」の移動、とは
・紙幣のような物理的なお金の移動
・国内の銀行による日銀口座間の移動
の2種類になります。
注:ここでは日銀やリップル社が使う「セトルメント」の意味を説明します。
業界によっては別の意味として使う場合もあります。3/
次に②ペイメント。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
ペイメントとは「所有権の移動」を意味します。どういうことかと言うと、
「所有権」とは例えば
・Suicaにチャージされた残高
・個人の銀行口座の残高
等です。
これらはJRや銀行が裏付けの価値を保証している単なる数字です。与信とか信用とかIOUとか呼ばれる事もあります。4/
JRの券売機で1000円札を投入しSuicaにチャージした時、
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
そのSuicaには1000円分の所有権が付与された、という感じです。
このような「所有権」のことを界隈でよく使う「IOU」と呼ばさせて下さいす。”I Owe You.(借りを作った)”という言葉の略語です。5/
イメージしやすくするため例を挙げます。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
Suicaにチャージしたとします。SuicaにIOUとしての数字がデータとして記録されます。私達はJRを信用している状態になります。JRが価値を保証してくれる、と。
ここでAさんが駅でSuicaに1000円をチャージし、翌日コンビニでSuica払いをする例を考えてみます。6/
Aさんは現金1000円札を駅の券売機に入れたことでJRは現金を受け取ります。受け取ったJRはこれを現金で保有し続けるか、またはX銀行にあるJRの口座に預けるか選べます。今回は銀行口座に預けたとしましょう.
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
一連の操作でAさんのSuicaには1000円分のIOUが記録され、X銀行に裏付けの1000円が入ります。7/
翌日、Aさんがコンビニで200円のコーヒーを買ったとします。Aさんはコンビニの読取機にSuicaをタッチ。200円が差し引かれ支払い完了。無事コーヒーを受け取りお店を出ました。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
このコンビニでの買い物はセトルメント(現金移動)ではなくペイメント(IOU移動)にあたると言えます。なぜなら 8/
Suica読取機にタッチしてピッとなったコンマ数秒の間では、コンビニ側は「現金」を受け取ったわけでもないし、コンビニの銀行口座に200円が追加されたわけでもないからです。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
コンビニは単純にAさんからデータという形で「所有権(IOU)」を受け取っただけなのです。9/
俗っぽく言うとこれは「ツケ」の状態と言えるでしょう。コンビニは「現金」を受け取らないままAさんにコーヒーを渡してしまったので。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
では最終的に現金はいつ動くのか?セトルメントはいつ完了するのか?
それはX銀行にあるJRの口座からY銀行にあるコンビニの口座に資金が完全に移動した時です。10/
もっと厳密に言うと日銀ネット内の「データ版現金」が移動した時です。X銀行の口座⇒Y銀行の口座、と。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
このデータ移動は現在の全銀システムでは(たしか)1日1回しか行われないので、それを待って初めてセトルメント完了と言えます。11/
我々の日常はいわゆる「物理的な現金」払いを除くと、ほぼ全てがペイメント(IOU移動)で済ませていることに気付きます。Suicaは勿論のこと、クレジットカード払いやLINE Payでの送金も基本的にIOU移動です。現金は同時に動いてないので。銀行振込だって「即時」に反映される残高はペイメントです。12/
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
なぜこんなに現金主義じゃなくIOU主義なのか?
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
それは、その方が圧倒的に速くて効率的だからです。
所有権の移動だけなので、Suicaをタッチしてデータを書き換えるだけ。コンマ数秒以内で完了するのです。
これはある意味「ツケ」という信用で世の中がうまく回っていると言ってもよいと思います。13/
ここで、ようやく仮想通貨の話になります。(長くてすみません。)
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
BTCやXRPといった仮想通貨の大きな特長は、
誰でも扱える「データ版現金」であることです。
ここが、日本の金融機関しか扱えない日銀の閉ざされた「データ版現金」とは大きく異なる点です。14/
なので仮想通貨は「誰でも扱えるセトルメント機能」を特長としています。というかこれが最大にしてほぼ唯一の特長といっても過言ではありません。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
では今までの信用をベースにしたペイメントの世の中を、仮想通貨によるセトルメントの世の中に置き換えられるか?と言ったら実はほぼ絶望的です。15/
理由は簡単です。仮想通貨の性能が絶望的に低いからです。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
最も高性能な部類のXRPで考えてみます。
・決済速度4秒以下 ⇒Suicaの「ピッ」に圧倒的に劣る
・手数料ごく僅か ⇒無料のSuicaに負ける
・処理量1500回/秒 ⇒Suicaは路線バスのようなオフラインでもOK。実質無限大。
全然ダメダメです。16/
ちなみにXRPの処理能力1500回/秒とは1日で換算すると1.3億回です。日本人が1日1回取引しただけでパンクします。BTC,BCHは言わずもがな。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
ということで何が言いたいかというと仮想通貨の最大のメリットである「誰でもセトルメント」というのは日常生活では殆ど使えない、ということです。17/
ここまでダメなところを示されると「仮想通貨って実は全然使えないのか」と思われるかもしれません。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
しかし実はわずかながら仮想通貨が活躍できる余地があるのです。
それが国際送金です。
今までお話ししてきたのは日本国内の取引の話。18/
同一国内だったら資金のたまり場である各銀行が共通のネットワークにいるため信用(ツケ)という方法がうまく回ります。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
しかし一歩海外に目を向けると、この「信用」というものが全く効かないケースが頻発します。
例えば日本AさんがSuicaを使ってブラジルBさんに送金する例。(円⇒レアル)
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今までと同様、Suicaのチャージ、つまりIOUのデータをブラジルにそのまま送ったとします。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
そしてAさんはBさんに次のように言います。「これ日本円と等価だよ。」
おそらくブラジルのBさんの返事はこんな感じでしょう。
「レアルの方が良いけど日本円でもいいや。でもそのかわり現金にしてくれ。」
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IOUとは手形みたいなものです。JRのIOUや日本の地銀のIOUなんてブラジルでは手形として通用せず、交換するには大変な労力が必要になります。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
リップル社はここにこそ仮想通貨の存在意義がある、と目を付けました。つまり仮想通貨は誰でも扱えて、世界中を素早く動かせる「現金」であるという一点。21/
飛行機じゃないと運べない紙のお金や、日本から飛び出せない日銀のデータには無い特長です。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
国際送金が今まで摩擦だらけだったのもインターネットを通して自由に動かせる「現金」が存在しなかったからです。22/
リップル社は、仮想通貨の最大のユースケースは国際送金であるということに気付きました。そして、海外送金にて最大のネックとなっていた「セトルメント」という機能にXRPを特化させたのです。
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
長くなりましたが最後に以上をまとめます。23/
【まとめ】
— てにったー (@tenitoshi) October 19, 2018
セトルメント=現金移動
ペイメント=IOU移動
ペイメントで成り立つ日常生活には、仮想通貨の性能はあまりに低くて存在意義に乏しい。ただし海外送金は現金でないと摩擦が大きい。ここに仮想通貨最大の特長であるセトルメント機能が生きる。リップル社はここに目を付けた。
以上です。24/24