今回のてにログでは...
てにったーさんが、現在開発が進められている量子コンピューターが完成した場合、既存の暗号資産(仮想通貨)やブロックチェーン技術に対して与えうる影響について、丁寧に回答をしてくれています(配信日:2019年1月20日〜1月21日)

質問者

てにったー様へ質問です。

2023年を目標に仮想通貨の秘密鍵を解読し得るポテンシャルを秘めている量子コンピューターが開発されているそうです。

量子耐性がない仮想通貨は淘汰されると、まことしやかな噂が流れてますがリップルの量子耐性についてどのように見ていらっしゃいますか?
はじめまして。

量子コンピュータに関するご質問ですが2つポイントがあります。

まずは種類。

量子コンピュータといっても大きく分けて2種類あり役割が全く異なります。

スポーツといっても球技や格闘技があるのと同じです。

最近は量子ゲート方式と呼ばれてる物。

これが暗号解読に繋がるとされる物です。

ご質問に「2023年を目標に」とあったのでそれが何を指しているのか検索してみました。

以下のNECの話が見つかりましたがこれで合ってますか?

実はこれは上述の2種類の量子コンピュータのうちもう一方の物です。

量子アニーリング方式とか量子イジングモデル方式と呼ばれます。

てにったー


参考 NEC、2023年を目処にコヒーレンス時間1msの量子アニーリングマシンを開発PC Watch

てにったー

この方式は量子ゲート方式とは目的が大きく異なります。

暗号解読が目的なら量子ゲート方式の方に注目すると良いと思います。

量子ゲート方式の性能は、量子ビット数というものに大きく依存します。

従来は0か1かの2通り(=1ビット)で処理するところを量子ゲート方式は一度に複数ビットを処理できます。

この量子ビット数が増やせば計算効率が指数関数で向上し、従来方式の暗号解読なら現実的な時間内に完了するでしょう。

ただし今、そこまでの量子ビット数を持った量子コンピュータが実用化されるか、私は最新を情報をきちんと把握していません。

なので見通しについてはコメントを控えたいと思います。

てにったー

長くなりましたが、ご質問のポイントの2つ目。

「量子耐性のない仮想通貨」について。

量子耐性のある暗号技術は少しずつ報告されはじめており、今後もより優れた物が現れると期待されます。

なので、問題はそれを各仮想通貨が採用するか(できるか)です。

私見ですが、開発元orコミュニティが機能している仮想通貨なら全て、量子耐性の高い暗号技術を採用すると予想します。

BTCもハードフォークと呼ぶべきかアップデートと呼ぶべきか存じませんが、マイナーや利用者等の全員がアップデートの必要性を感じるはずなのでコンセンサスは得られると思います。

XRPにおいてもコミュニティメンバーやバリデータがきちんと機能し続けるなら適切に修正されると予想します。

量子耐性の高い暗号技術の開発は、仮想通貨といった狭い分野に限らず、世の中のセキュリティ全般に大きく影響します。

なので今後も精力的に研究・開発されていくものと思います。

以上です。


おねがい
てにログで記録・まとめている内容は、投資のアドバイス・助言ではないことをあらかじめご留意頂けますと幸いです