今回のてにログでは...
金融機関による独自の暗号資産の発行の是非について、以前リップル社CEOのガーリングハウス氏が行った考察をてにったーさんが和訳しまとめています
(配信日:2019年2月15日)

てにったー

銀行発行のコインについてリップル社CEOのコメント(2016年)の和訳です。

参考 The Case Against BankCoinLinkedin

てにったー

【要点】

仮に銀行コインが発行されても、世界中で単一コインが使われるとは考えにくく、断片化した経済圏ができるだけだろう。

それは現状の繰り返し、または更にややこしいことになるだけ。

以下、本文。
銀行コインに対する主張

UBS, ドイツ銀行、サンタンデール銀行、BNYメロンは”セトルメント(決済)用コイン”を発表しました。

これはブロックチェーンを使ったセトルメント方法として業界のスタンダードになることを望んだ新しいデジタル資産(デジタル通貨)です。

このコインは、規制当局と中央銀行の承認を得た後、2018年前半までに銀行が各取引後のセトルメントやクリアリング用に使用することを彼らは想定しています。

デジタル通貨が金融機関に使われるための牽引力として、この開発が重要な合図となるでしょう。

しかしながら、この開発自体は大変な検討違いだと言わざるを得ません。

なぜなら銀行発行のデジタル通貨を使ったとしても、セトルメントが本当の効率性を発揮できるのは、それを発行した銀行の間での取引だけだからです。

ここで銀行コインが活躍するであろう2つのシナリオを考えてみましょう。
≪シナリオ1≫

世界中の全銀行が、競合関係や地政学的関係を一旦脇に置いといて、同一のデジタル通貨を採用する形。

共通のルールに全銀行が同意し、協調的に管理します。
⇒見込みは薄いでしょう。
≪シナリオ2≫

こっちはもうちょっと現実的なシナリオです。

そのデジタル通貨を発行するグループとは別の銀行も自前のデジタル通貨を発行し、自前のルールで管理する。

この類の話は、フィナンシャルタイムズ誌が指摘したように、シティ銀行(Citiコイン)とゴールドマンサックス(SETLコイン)ですでに見られています。

その結果は、というと以前よりもさらにバラバラに断片化された通貨の世界が見えてきています。

例えば、デジタル通貨ごとに複数のグループがあって、自分のグループ以外の銀行と取引のセトルメントを行おうと思ったら、双方のデジタル通貨同士を交換するためのマーケットを生み出すことが必要になってきます。(例えば、米ドル建てCitiコイン/タイバーツ建てサイアムコインのマーケット。)

もしくは、それがダメなら、デジタル通貨と現地通貨を交換するマーケットを作る必要があります。(例えば、サイアムコインとタイバーツ。)

こうなったらもうグチャグチャです!
この”セトルメント(決済)用コイン”にもう1つの大きな問題があります。

これらのコインの裏付けとなる物が様々な通貨を混合させた通貨になる可能性があるのです。

というのも、もしもある「現金」を裏付けに使うとすると、そのコインはもはや現物資産とは言えず、負債(IOU)になってしまいます。

そうなると負債を取引することになるので、最終的には実際の現金をクロスボーダーで動かすこと必要になってしまうでしょう。

これは今日のシステムの単なる再生産であって、しかも更なる摩擦を増やすだけのものです。

銀行が望んでいるのは、真に効率的なセトルメントを実現し、(どの通貨・銀行からも)独立したデジタル通貨であることだ、という強い信念を私達は持っています。

そしてその役割として最もベストなポジションにいるのがXRPであるとも考えています。

デジタル通貨をユニークで特別な物にしている本質的な特徴は何か?

それはユニバーサルな通貨であること。

つまり世界中の誰もが何処でも価値の単位として利用できる点です。

この特徴こそがデジタル通貨が世界中で流通させることを可能にし、伝統的な通貨よりも素早いセトルメントを実現するのです。

BTCやETHのような他のデジタル通貨と比較してみると、数秒でセトルメント完了するXRPが国際決済に最も効率的だと言えるでしょう。

現に我々はグローバルな銀行とともに試験する中で、国際決済の流動性コストの点でXRPが優れてことが証明してきました。

このような証明は今後も出てくるでしょう。

-リップル社CEO・ブラッド・ガーリングハウス氏(和訳文)


おねがい
てにログで記録・まとめている内容は、投資のアドバイス・助言ではないことをあらかじめご留意頂けますと幸いです