【世界経済紀行#3】ノルウェーの経済

皆さま、こんにちは!

記事をご覧頂き誠にありがとうございます!

今回の【世界経済紀行】でも引き続き、
記事ごとに、一つの国をピックアップし、
その国の経済の特徴・長所・短所・展望を
客観的なデータを用いながら考察して
いきます!

調子・のり助

われ、相変わらずこういう企画もん好きやなぁ〜!ちゅーか…このブログって暗号資産がメインテーマやなかったっけ…
確かに、本ブログのメインテーマは暗号資産(とりわけXRP)ですが、暗号資産について情報収集をしていく上で、世界各国の経済について調べる機会が非常に多いことに気付かされました。

特に、私がメインで投資しているXRPは、世界各国の政府機関・金融機関・送金業社・企業による活用が期待・想定されているため、XRPについての情報収集をする際に、世界各国の経済の特徴を調べる機会が非常に多いです。

本シリーズは、これまで私が調べてきた、世界各国の経済に関する情報を共有するとともに、私自身の備忘録として情報を記録・まとめておきたいと思い、始めるに至りました。

管理人

今回の記事で取り上げる国

今回の記事で取り上げる国は…

ノルウェー

…です!

出典:Wikipedia

ノルウェーは、北ヨーロッパの
スカンディナビア半島西岸に位置する
立憲君主制国家です。

ノルウェーの基本情報

正式名称 ノルウェー王国(Kingdom of Norway)
面積 約38万5199平方キロメートル(日本とほぼ同じ)
人口 約532万人(2019年)
首都 オスロ
名目GDP 約4341億USドル(世界29位)(2018年)
名目GDP
(一人当たり)
約81,549USドル(世界4位)(2018年)
ソース:地球の歩き方世界経済のネタ帳

管理人

ノルウェーの基本情報を一通り見ていきましたが、いよいよ本題であるノルウェー経済の特徴を見ていきましょう!

ノルウェー経済の特徴

ノルウェー経済の基本概要

これまでの【世界経済紀行】では、メキシコや
南アフリカなどの発展途上国・新興国の経済を
取り上げてきましたが、今回の記事では、
【世界経済紀行】開始以来初めての先進国と
なる、ノルウェーの経済を詳細に深掘りして
いきます。

前回の記事で取り上げた南アフリカは、
世界最大の経済格差を抱える課題多き国で
したが、今回の記事で取り上げる
ノルウェーは、まさに、南アフリカの
完全なる対極のような国です。


ノルウェー経済は、社会主義と資本主義が
それぞれ持つ良い側面だけを抽出し、
融合させ、各国が模範とし、モデルとすべき、
完璧な経済システムの構築に成功したと高く
評価されています。

やや、過大評価のように聞こえますが、
ノルウェーが構築した経済システムは、
確かに、世界中の経済学者に称賛され、
研究の対象になっています。

なぜ、ノルウェーの経済システムが高く評価
されているのか、詳しく見ていきます。

まず、国民の相対的豊かさを計る際に
用いられている指標として、
国民一人当たりのGDPがありますが、
ノルウェーの国民一人あたりのGDPは、
世界トップクラスの4位です。
(ソース:世界経済のネタ帳

次に、貿易の面でも、毎年安定的に貿易輸出額
が貿易輸入額を上回っており、貿易収支は常に
黒字です。

ノルウェー国民の平均寿命は高く、
幸福度も高いとされています。


失業率に関しても、安定的に低く、
社会情勢も非常に安定しています。

以前の記事でも先述した通り、盤石で壮健な
経済基盤を築く上で、社会の安定が重要な
要素となってきます。

ノルウェーは、治安も良く、政治家による
不祥事・汚職も少なく、社会が非常に
安定しています。

このように、ノルウェーの経済・社会は、
非の打ち所を見つける方が難しいくらい
盤石です。

管理人

前回の記事で取り上げた南アフリカとは正反対ですね

ノルウェー経済の長所を多く取り上げて
きましたが、極め付けは、同国における
経済格差の小ささです。

ノルウェーにおける経済格差がどれほど小さい
ものなのかを理解するために、前回の記事でも
用いたジニ係数を通じて見てみましょう。

ジニ係数という指標を通じて、とある国に
おいて、どれほど経済格差が進んでいるかを
理解することができます。

まず、ジニ係数の仕組みを詳しく
見ていきましょう。

ジニ係数とは、端的に、0から1までの
値となっとおり…

・0に近いほど対象の国における経済格差が低い
・1に近いほど対象の国における経済格差が高い


…ことを表しています。

更に、ジニ係数が0の国は…

(理論上)その国における全ての所得が公平に
分配されている


…状態を表しており、
逆に、ジニ係数が1の国は…

(理論上)一人の個人がその国における全ての
所得を独占している


…状態を表します。

もちろん、ジニ係数が0あるいは1というような
状況は、現実的にはありえず(理論上のもの
であり)、全ての国は、ジニ係数が0から1の
間のどこかにあてはまっています。 参考 ジニ係数|証券用語解説集野村證券


ノルウェーのジニ係数は…

0.26(2017年)

…となっており…

・日本:0.34(2017年)
・アメリカ:0.39(2017年)
・南アフリカ:0.62(2017年)
※南アフリカのジニ係数の値は世界で最も高い


…などの、各国のジニ係数の値を念頭に
置くと、ノルウェーにおける経済格差が
いかに小さく抑えられているかが
見て取れます。
(ソース:Global Note

ノルウェーの経済が…

・いかに盤石であるか
・いかに素晴らしいか


…見てきましたが(少々、褒め過ぎな気も
しますが…)上記を踏まえた上で…

ノルウェーがどのようにしてこれほど
素晴らしい経済システムを構築することが
できたのか

…という疑問が浮かび上がってくると
思います。

それについては、
下記で詳細に深掘りしていきます!


スポンサーリンク

決して驕らない、北欧の優等生

ノルウェーの経済がいかに豊かで盤石か、
散々見てきましたが、その大きな要因は…

産油国だから

…という、非常にシンプルなものです。

困っちゃん

え…それだと他の産油国(サウジアラビアとか)と一緒じゃないですか…

結局は石油の輸出を通じて得た莫大な利益のおかげで経済が潤っているだけじゃないですか…
そう思うじゃないですか?

ところがどっこい!!!(テンション高め)

ノルウェーは、単に産油国であるという理由だけで経済が豊かになったわけではないんですよ!

現に、ベネズエラなど、大量に石油が採れるにも関わらず貧しい国もあります。

ノルウェーは、他の産油国とは一味も二味も違う…

奥が深い国!!!

…なんですよ!(テンションMAX)

今回の【世界経済紀行】でノルウェーの経済を取り上げた理由は、同国経済の強さ・盤石さの極意・秘密に迫りたかったらです!

管理人

困っちゃん

お、落ち着いてください…

それは1969年のこと…

ノルウェーの船が北海の排他的経済水域内にて
油田を発見します。

油田の発見は、ノルウェー経済大躍進の
狼煙となり、同国は、漁業を生業とする
北欧の小国から世界有数の産油国へと、
鮮やかな変貌を遂げます。


グローバル化や発展途上国・新興国による
急速な工業化により、石油の需要が右肩上がり
の中、ノルウェーは、そんな旺盛な石油の需要
に応え続け、莫大な富を築き上げます。

実際、産油国となったノルウェーのGDPは、
1970年から1980年にかけて、実に5倍に
膨れ上がり、急速なスピードで経済成長を
果たしました。

ここまでは、サウジアラビアなどの
名だたる産油国が辿ってきた変遷と
何一つ変わりません。

油田を見つけ

石油を輸出し莫大な利益を上げ

国民に還元する


…あるいは…

国王・首長・役人がオイルマネーで私腹の限り
を肥やす

…これが、産油国の典型的なイメージだと
思います。


しかし、先述した通り、
ノルウェーはそんじゃそこらの
産油国とは一線を画します。

ノルウェー政府は、石油の輸出を通じて得た
莫大な利益を…

・華美なインフラの建設
・国民へのばらまき
・政治家や役人による私腹肥やし


…などには使わなかったのです。

例えば、多くの産油国では、税金が比較的低い
傾向があります。

その理由は、産油国の多くでは、
石油の輸出を通じて得た利益を、
本来税金でまかなわれているような…

・インフラの建設
・公共事業
・公共教育
・社会保障
・医療費


…などに充てているからです。

減税をすると、まず、国民から多大なる支持を
得ることができ、次に、国民がより積極的な
消費活動・経済活動を行うようになるので、
実体経済が潤い、生活水準が飛躍的に
向上します。

そのため、産油国の政治家は、オイルマネーを
背に、自身の支持率を上げるために、自国の
経済を活性化させるために、減税カードを
積極的に活用する傾向にあります。

しかし、これらの効果は一過性です。

石油が採掘し尽くされた場合、
あるいは、より現実的な懸念として、
(新エネルギー開発などの)技術革新など
により石油の需要が減少した場合、
石油マネーに頼りっぱなしだった産油国の
財政は、たちまち火の車になってしまいます。

ノルウェーの政治家たちは…

・石油が無尽蔵に湧き出てくるわけではない

・石油に対する需要が半永久的に存在し続ける
わけではない

…という危機感や危惧を
当初から抱いていたのです。


そのため、ノルウェーの政治家たちは、石油の
輸出を通じて得た莫大な利益を、減税などの
短期的な効果しか見込めないような施策に
投じることはせず…

超長期的な投資

…に回したのです。

具体的には、石油の輸出を通じて得た莫大な
利益を投資に回すため、ノルウェー政府は…

ソブリン・ウェルス・ファンド
(sovereign wealth fund)
(以下:政府系ファンド)

…を設立しました。

参考 ソブリン・ウェルス・ファンドとは|金融経済用語集iFinance

政府系ファンドとは、読んで字の如く…

政府が設立し運営している(ヘッジ)ファンド

…のことを指し、石油などの天然資源の輸出
を通じて得た利益を資金・元手に、積極的な
投資活動をし、通常のヘッジファンド同様
恒久的かつ持続的な利益の享受を主目的と
しています。


端的に、政府が設立・運営している巨大な
ヘッジファンドとして捉えるとイメージが
しやすいと思います。

ノルウェー以外にも、政府系ファンドを運営
している国はいくつかありますが、実は、
ノルウェーが運営している政府系ファンドは、
世界最大の規模(時価総額)を誇り、あの
大国・中国が運営している政府系ファンド
よりも規模が大きいのです。
(ソース:SWFI

中国は、ノルウェーの人口の約270倍を誇る
超大国であることを念頭に置くと、上記が
どれほどすごいことかが見て取れます。

ノルウェーの政府系ファンドは、主に国外
(ノルウェー以外)の…

・有価証券(民間企業の株など)
・債権(国債など)
・不動産


…への積極的な投資を行っており、他にも…

・外貨(USドルなど)
・コモディティー(ゴールドなど)


…などの資産も保有しています。
(ソース:Bloomberg

ちなみに、ノルウェーの政府系ファンドの
時価総額は、ノルウェーの年間GDP(2019年)
の3倍にあたります。
(ソース:CNBC

加えて、先述した通り、ノルウェーの
政府系ファンドは…

ノルウェー国外

…のアセット・資産を投資対象として定めて
いるので、同国の政府系ファンドの
パフォーマンスやリターンは、ノルウェーの
経済と切り離されており、国内経済との連動性
が低いので、強力なリスク・ヘッジとしても
作用します。

また、理論上ではありますが、ノルウェーの
政府系ファンドの時価総額を、ノルウェーの
全国民(乳児や児童も含めて)に割り当てたと
すると、単純計算で、なんと一人あたり
20万ドル(約2200万円)に相当します。


これは理論上の話であり、ノルウェーの国民が
政府系ファンドからお金を引き出すことは
できませんし、何ならノルウェー政府自体も
政府系ファンドの資金へのアクセス権を
持っていません。

どういうシステムかというと、ノルウェーの
政府系ファンドが投資を通じて創出した
利益が同国政府に納められます。

その利益の額がものすごいのです。

2019年、ノルウェーの政府系ファンドは…

19.9%、額にして1800億ドル(約20兆円)

…という驚異的なリターンを叩き出しました
(史上最高益)。

もちろん、政府系ファンドが創出した利益が、
そのままノルウェー国民の銀行口座に
振り込まれるわけではないです。

まず、その利益はノルウェー政府の手に渡り、
次に、同国政府がその利益を…

・インフラの建設
・公共事業
・公共教育
・社会保障
・医療費


…などに充て、余剰は政府系ファンドに
再投資されます。

ノルウェー経済の今後

ノルウェーの先人たちが、石油から得た利益を
そのまま市中にばらまかず、堅実な投資に回す
ことによって、国民が恒久的・安定的・持続的
に利益・恩恵を享受し続けられる体制を築いた
ため、ノルウェー経済の展望は今後も非常に
明るいです。


ノルウェーがここまで盤石な経済を築けた
理由は、同国の先人たちの先見の明、聡明さ、
慎重さの賜物なのです。

もし、ノルウェー政府が、石油から得た莫大な
利益をそのまま市中に直接ばらまいていたら
(減税・現金給付・華美な公共投資など)、
短期的には国が潤ったとしても、一過性の効果
しか見込めませんでした。

しかし、ノルウェーの先人たちは、石油から
得た莫大な利益をそのまま市中に直接ばらまく
ようなことはせず、超長期投資に回すため
ファンドを設立し、国民が…

・長期的
・持続的
・安定的


…に利益・恩恵を享受できるような仕組みを
作り上げました。


ノルウェーの先人たちによる先見の明・知恵の
おかげで、ノルウェーの国民たちは、一代限り
ではなく、何代にも渡って安定的で豊かな生活
を送ることができるのです。

まとめ

ノルウェー経済を擬人化すると…

ものすごい強運の持ち主で、宝くじで一等を
当て莫大なお金を得ながらも、そのお金を
無駄遣いすることなく、全額投資に回し、
配当を得ながら南の島で悠々自適に
暮らしている人

…という風に表せるかもしれません。


以前の【世界経済紀行】でも、メキシコや
南アフリカなどの天然資源が豊富に採れる国の
経済を見てきましたが、どちらの国も経済基盤
が脆弱で社会情勢も不安定です。

ノルウェーとメキシコ・南アフリカの
決定的な違いは、ノルウェーの場合、
天然資源から得た利益を投資に回し、
堅実に運用をしてきたことです。

それによりノルウェーの国民たちは、天然資源
がもたらす恩恵を十分に享受することができ、
安定的な生活を送ることができるのです。

これまで、ノルウェーの経済がいかに盤石
であるか、いかに素晴らしいか、深掘りを
してきましたが、それなら…

他の国はノルウェーの真似をすれば良い
のではないか

…という考えが浮かび上がってくる
かもしれません。


では、ノルウェー経済のモデルが…

国家経済の最適解

…なのでしょうか?

留意しなければいけない点は、ノルウェー経済
が成功した理由を精査する上で…

・人口が少ないこと

・ノルウェー人の国民性
(相互扶助・助け合い精神が強い)

…そして最も大きな因子である…

天然資源が豊富に採れること

…など、ノルウェー特有の多種多様な要素が
折り重なりあった結果だということ、加えて、
運の要素(天然資源が豊富に採れる)も
大きなファクターだということを考慮
しなければいけません。

つまるところ…

・ノルウェーの経済モデルは、
全ての国の経済に通ずる万能な最適解

・世界中の政治家や官僚たちは、

ノルウェー経済の仕組みを丹念に学び、
模倣し、自国の経済政策の下地にするべきだ

…という考えは、やや短絡的・早計
だということです。

ノルウェーの経済モデルは、
どちらかといえば…

・サウジアラビア
・メキシコ
・南アフリカ


…などの…

天然資源が豊富に採れる国が
倣うべき経済モデル

…と言えるかもしれません。


管理人

今回の、ノルウェー経済に焦点を当てた【世界経済紀行】の記事は、以上となります!

最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!

今回の記事では、ノルウェー経済のあらゆる側面・森羅万象を深掘りすることはできませんでしたが(卒業論文並みの文量になってしまうので)、私がノルウェー経済について調べていく上で、最も興味を持った側面に焦点を当て、深掘り・考察・まとめさせて頂きました!

では!また次回の記事で!