【世界経済紀行#1】メキシコの経済

皆さま、こんにちは!

記事をご覧頂き誠にありがとうございます!

今回の記事は【世界経済紀行】というシリーズ
の最初の記事となります!

世界経済紀行の趣旨

当シリーズの趣旨は…

記事ごとに、一つの国をピックアップし、
その国の経済の特徴・長所・短所・展望を
客観的なデータを用いながら考察していく


…となっております!

調子・のり助

われ、相変わらずこういう企画もん好きやなぁ〜!ちゅーか…このブログって暗号資産がメインテーマやなかったっけ…
確かに、本ブログのメインテーマは暗号資産(とりわけXRP)ですが、暗号資産について情報収集をしていく上で、世界各国の経済について調べる機会が非常に多いことに気付かされました。

特に、私がメインで投資しているXRPは、世界各国の政府機関・金融機関・送金業社・企業による活用が期待・想定されているため、XRPについての情報収集をする際に、世界各国の経済の特徴を調べる機会が非常に多いです。

本シリーズは、これまで私が調べてきた、世界各国の経済に関する情報を共有するとともに、私自身の備忘録として情報を記録・まとめておきたいと思い、始めるに至りました。

管理人

今回の記事で取り上げる国

シリーズ初回の記事で取り上げる
記念すべき(?)国は…

メキシコ

…です!

出典:Wikipedia

メキシコは、北米大陸の南部・北中米地域に
位置する、同地域において最大規模の経済を
誇る連邦共和制国家です。

管理人

ちなみに、メキシコはスペイン語圏において最も人口が多い国です!

メキシコの基本情報

正式名称 メキシコ合衆国(Estados Unidos Mexicanos)
面積 約196万4375平方キロメートル(日本の約5倍)
人口 約1億2474万人(2018年)
首都 メキシコ・シティー
名目GDP 約1兆2220億USドル(世界15位)(2018年)
名目GDP
(一人当たり)
約9,796USドル(世界69位)(2018年)
ソース:地球の歩き方世界経済のネタ帳

管理人

メキシコの基本情報を一通り見ていきましたが、いよいよ本題であるメキシコ経済の特徴を見ていきましょう!

メキシコ経済の特徴

メキシコ経済の基本概要

メキシコは、強固な経済基盤を築くために必要
とされている…

・盤石で伸びしろのある製造セクター
・豊富な天然資源
・若くて生産的な労働力
・地政学的な位置付け(アメリカとの近さ)


…などの要素を兼ね備えております。


しかし、同時に…

・治安の悪さ
・反社会勢力の台頭
・経済格差の拡大


…など、多くの課題を抱えていることも
確かです。

メキシコは、名目GDPにおいて、世界で15位
(2018年)に位置しており、一見豊そうに
見えますが、同時に1億2000万強という大きな
人口を抱えていることを念頭に入れると
(経済的な)豊かさの水準はまだまだ低い、
伸び代がある、ということが見て取れます。

その証拠に、人口一人あたりのGDPを
見てみますと、世界で69位(2018年)
となっております。

加えて、先述した通り、メキシコでは経済格差
も大きな問題となっており、富は都市部に
一極集中し、地方においては貧困が蔓延
しており、経済格差が拡大しています。

これはメキシコのみならず、日本を含め多くの
国で起きている共通の事象です。

メキシコは、いわゆる発展途上国・新興国
として位置付けられており、日本やアメリカ
などの先進国の仲間入りを果たそうと
していますが、メキシコの経済成長率は、
端的にまとめますと…

ゆっくり着実に成長はしているけど、
今一つ爆発力に欠ける

…と言ったところでしょうか。


例えば、今でこそ経済成長率が鈍化したと
言われている日本ですが、戦後日本が発展途上
していた時期、1956年〜1973年にかけて
平均実質GDP成長率は実に9.1%、
1974年〜1990年においても、4.2%という
驚異的な経済成長率を安定的に
叩き出していました。
(ソース:社会実情データ図録

日本がものすごいスピードで急速な経済成長を
遂げ、瞬く間に先進国への仲間入りを果たした
ことが見て取れます。

対して、メキシコの場合は、以前は先の日本と
同様に、高い経済成長率を達成していた
ものの、ここ数年間は経済成長率が鈍化
しており、先進国に仲間入りをするための
爆発力が今一つ欠けています。

派手さには欠けるが、
凋落しているわけでもない、
メキシコの経済基盤は…

堅実・中堅

…といった表現が最も適当だと
考えております。

ではこれから…

・なぜメキシコの経済成長率が
鈍化しているのか?

・今一つ爆発力に欠けるのか?


…下記で詳しく深掘りしていきます。


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多くの人が銀行口座を持っていない

メキシコ経済の大きな課題の一つは、
国民の多くが…

unbanked(以下:アンバンクド)

…だということです。

アンバンクド、普段あまり目にすることのない
金融関連の専門用語ですが…

銀行口座を持っていない人

…を意味します。

メキシコでは、2018年のデータによると、
労働人口(約9800万人)のうち…

37%(約3600万人)

…しか銀行口座を持っておらず、過半数の…

63%(約6200万人)

…は、銀行口座を持っていません。
(ソース:Cash Matters


上記が、メキシコの経済成長の大きな足かせ
となっています。

日本やアメリカなどの先進国では、銀行口座を
持つことが当たり前になっていますよね。

なので、普段あまり考えることは
ありませんが、銀行口座を持つということは…

基本的金融サービス

…へのアクセス権を持っていることと
同義なのです。

銀行口座を持っていることで、
クレジット(信用)の与信を受けることが
できるので…

・クレジットカードを発行したり
・家のローン(融資)を受けたり
・車のローン(融資)を受けたり
・一般的なローン(融資)を受けたり

…と、(所定の審査を通過した上で)
さまざまな金融サービスの恩恵を
享受することができるようになります。


また、銀行口座を持っていることで…

・証券口座
・証拠金為替取引口座(FX)


…などの口座を開き、一個人でありながら
金融市場に参加し、投資活動を行うことも
できます。

また、個人が起業・事業の立ち上げをする際
にも銀行口座が必要となります。

このように、銀行口座は…

社会的流動性(social mobility)

…を創出する上で、非常に重要な役割を
果たしているのです。

社会的流動性は…

個人の社会的階層がどれほど
固定化されているか

…を測る指標となります。

例えば、社会的流動性が高い国では、自身の
親の社会的階層が低かったとしても、個人の
努力次第で、親よりも高い社会的階層に
上昇しやすい環境が整っています。

詳しくはこちらの記事をご覧ください 参考 社会的流動性の地域差FI Planning

メキシコの過半数の国民は、銀行口座を
持っていないがために…

・安定的な職に就けない
・貯蓄や資産の形成がしにくい(できない)


…国民が多いため、国全体の社会的流動性が
非常に低いです。

メキシコ経済の大きな弱点の一つは、
アンバクド層があまりにも多いため、
社会的流動性が低く、社会階層の固定化
(人々が貧困から抜け出せない・経済格差の
拡大)が恒常化していることです。

十分な教育を受け、
安定的な職に就き、
安定的な収入を得て、
富を蓄積し、
資産を形成する、
日本やアメリカなどの先進国では、
上記のような変遷を辿ってきた
中流階級・中産階級の層が
(相対的に)分厚いです。

日本やアメリカなどの先進国では、
中流階級・中産階級が国家の強固な基盤として
位置付けられており、国全体の経済力を力強く
下支えしています。

しかし、メキシコなどのような社会的流動性が
低い国では、中流階級・中産階級層の形成が
されにくいため、経済基盤が脆弱となって
しまい、経済格差が拡大し、社会的流動性が
更に低下してしまうという悪循環に
陥ってしまいます。

上記の構図は、メキシコのみならず多くの
発展途上国・新興国で発現している
ジレンマです。

また、銀行口座を持たない人が多くいると、
国全体の経済成長率の鈍化を助長して
しまいます。

先述した通り、銀行口座を持っていないと、
クレジットカードの発行や家のローンの
契約など、クレジット(信用)の与信を
受けたり融資を受けたりすることが
できません。

つまり、銀行口座を持っていないと…

(金融機関から)お金を借りれない

…ということです。

借金(債務)と聞くと、悪いイメージが
先行しがちですが、借金にはプラスの側面も
多々あります。

例えば、家を購入する際に、現金一括で
買おうと思ったら、必要なお金を貯金する
ために、何十年も働かなければいけません。

マイホームを手に入れる頃にはすでに
おじいちゃんになってしまっている
かもしれません。

しかし、家のローン契約を結び、融資を
受けたら、何十年も働きながら貯金をする
ことなく、比較的容易にマイホームを
手にすることができます。

また、起業や事業の立ち上げに関しても、
融資を受けずに資本金を全て自前で用意する
となると、多くの時間を要するため、競合に
追い抜かれたり、その事業自体がそもそも
時代遅れなものになっている可能性
もあります。

このように、借金には負の側面だけではなく、
プラスの側面もあるのです。

もちろん、借金が良い方向に機能する
ためには、債務者に十分な返済能力が備わって
おり、しっかりとした返済計画プランが
練られていることが大前提となりますが。

これまでは、個人・ミクロ単位での視点で借金
のプラスの側面を見てきましたが、国全体の
経済というマクロな視点から見ても、借金には
プラスの側面が多くあります。

より多くの国民が、積極的に借金をする
ことで、やりとりされるお金の絶対的な総量が
増加するので、国全体のGDPを大幅に
押し上げます。

クレジットカードや各種ローンなどの
金融サービスがあるおかげで、人々は手元に
現金・キャッシュがなくても買い物をすること
ができるので、人々による経済活動が
活発化します。


現に、世界最大の経済を誇るアメリカは、
クレジットカードや各種ローンなどの
金融サービスによって創出される豊富な
経済活動(人々が借金をし、モノやサービス
を購入する)を通じて、指数関数的な経済発展
を遂げてきました。

しかし、先述した通り、借金がうまく機能する
には、債務者各人が許容できる範疇で適切かつ
健全な借金をしなければ、借金の負の側面が
顕在化してしまいます。

債務者各人が、自身が許容できる借金の
範疇以上にお金を借りてしまうと、
借金の返済が滞ってしまう可能性があり、
債務不履行(デフォルト)のリスクが
高まってしまいます。

特に、国全体のマクロな視点ですと、経済危機
が生じた際に、お金を借り過ぎ、債務超過に
陥っている会社などは、お金を返済できずに
倒産してしまい、この現象が立て続けに起きて
しまうと、それら倒産してしまった会社にお金
を貸していた・融資していた金融機関などが、
大量の不良債権を抱えてしまい共倒れに
なってしまうリスクがあります。

上記のような事象が連鎖的に生じてしまうと、
国全体の経済が大きなダメージを
受けてしまいます。

先の2008年の経済危機・リーマン・ショックも
上記のような構図で引き起こされました。

このように、借金には、負の側面もあれば
プラスの側面もあり、文字通り諸刃の剣
なのです。

借金が、個人にとっても、国家にとっても、
プラスの側面に機能するには、適切かつ健全な
運用が求められます。

そういう意味でも、十分な返済能力が備わって
いる人々に対して、クレジットカードや
各種ローンなどの金融サービスへのアクセスが
提供されることは、ごく自然な話なのですが、
メキシコではこのような体制が十分に
整っていません。

そのため、銀行口座を持てないアンバクド層の
国民を減らし、各種金融サービス
(クレジットカード・各種ローン)への
アクセスを、よりオープンにするため、
現在メキシコでは…

金融包摂(financial inclusion)

…という社会的なムーブメントが急速に
推進されています。

金融包摂は、各種金融サービス・インフラへの
アクセスを、全ての人に対してオープンにする
ことを目指す、官民合同で推進されている
社会的なムーブメントです。

銀行口座を取得するというような、従来の方法
だけではなく、近年の技術革新によって急速に
普及しつつある、モバイル・バンキングや
モバイル・決済・サービス(例:ペイパル)
などが、金融包摂の拡大に大きく
寄与しています。

参考 金融包摂とはiFinance
ポイント
・メキシコ国民の実に63%(約6200万人)が銀行口座を持っていない(アンバクド層と呼ばれている)

・銀行口座を持っていないと、基本的な金融サービス(クレジットカード・各種ローン)を利用することができない

・金融サービスを利用できない人が多い国は、社会的流動性が低い

・金融サービスを利用できない人が多い国は、経済成長しにくい

・社会的流動性・経済成長率を向上させる上で、全ての人に対する金融サービスへのアクセスをオープンにするため、メキシコでは、金融包摂(financial inclusion)の試みが官民合同で積極的に推進されている

メキシコ経済の今後

先述した通り、メキシコでは、銀行口座を
持っていないアンバクド層の人が非常に
多いため、他国(特に先進国)と比較して、
個人が抱えている借金の割合が相対的に
少ないです。

借金の割合が少ないと、経済成長率が
向上しにくいのですが、同時に、借金を
多く抱えることにより発生する潜在的な
リスクも少ないということを意味します。

例えば、アメリカは、メキシコと対極的で、
人々による積極的な借り入れ・個人消費を
通じて高い経済成長率を叩き出してきました。

借金を積極的に活用する

…というアメリカの手法は…

安定的かつ継続的な経済成長を実際に
実現してきた

…という点で一定の評価に値するのかも
しれませんが、同時に、経済危機が起きた
際に、これらの借金が債務不履行
(デフォルト)になってしまい、連鎖的な
不良債権・焦げ付きを発生させてしまう
可能性があるため、リスクも高いです。

アメリカが長年取ってきた借金を活用し
経済成長を促す手法は、
まさにハイ・レバレッジであり、
ハイリスク・ハイリターンなのです。

その反面メキシコは、非常にロー・レバレッジ
であり、ローリスク・ローリターンなのです。

メキシコ人は、陽気な国民性ですが、
財政に関しては非常に堅実であることが
見て取れます。

そのため、メキシコは、2008年に発生した
世界的経済危機・リーマン・ショックの際も、
日本やアメリカなどの先進国と比べて、
相対的にダメージが少なく済みました。

しかし、これも今や過去の話。

現在のメキシコでは、先述した金融包摂が
官民合同で積極的に推し進められており、
個人や事業者による借金が
増加傾向にあります。

また、技術革新がメキシコにおける金融包摂の
推進を大きく後押ししています。


特に、2016年以降は…

・モバイル・バンキング
・モバイル・決済・サービス


…などの新技術の台頭により、
個人や小規模事業者による借り入れの比率が、
同期間におけるGDP成長率と比較して、
5倍以上の伸びを見せており、メキシコも
日本やアメリカなどの先進国の(GDPに占める
借り入れの比率)水準に徐々に追いつき
始めています。

メキシコは長らく…

個人が借金をあまりしない国

…だったため、昨今見られる借金の増加に
対する懸念の声が多く上がる一方で、
メキシコの政治家や官僚などの政策立案者は、
借金増大に伴うリスクとベネフィット(効用)
を天秤にかけた上で、後者が前者を上回ると
考えており、引き続き個人による借り入れを
増やすべく、政策を推し進めています。

まとめ

メキシコ経済を擬人化すると…

給料が上がり、可処分所得(自由に使える
お金)が増えたけど、大きな家やスポーツカー
を買うことはせず、大きな借金もすること
なく、今まで通りの質素な生活をし続けている
堅実な人

…という風に表せるかもしれません。

しかし、これからは、若干お金の余裕が
できたから、低金利・固定金利の安全な
ローンを組んで…

・もう少しだけ大きな家に住もうかな?
・もうちょっと良い車に乗り換えようかな?


…と、悩み始めています。

メキシコでは、モバイル・バンキングや
モバイル・決済・サービスなどの新技術の
普及により、金融包摂が進み始めており、
より多くの人が基本的な金融サービスの
恩恵を享受できるようになってきました。


金融包摂が実現すれば、メキシコ国内における
強固な中流階級・中産階級の基盤の形成が期待
でき、その層がメキシコ経済の安定的かつ
継続可能・持続可能な経済成長を実現する
大きな推進力となりえます。

基本的な金融サービスへのアクセスを
得た個人が…

借り入れをしまくって暴走をしないこと

…に加え、メキシコ政府が、アメリカなどの
先進国によって引き起こされてきた借金による
失敗に倣い…

人々による借金の活用を健全な範疇に
留められるよう、適切な規制の
策定・方針を定めること

…ができれば、メキシコ経済の展望は楽観的
だと言えるかもしれません。

メキシコの、発展途上国・新興国から先進国
までの道のりは、現在、道半ばにあたります。

マラソンで例えると、中間地点・20キロ地点
といったところでしょうか。

メキシコが本格的に先進国への仲間入りを
果たせるかどうかは…

・国内における金融包摂の実現

・メキシコ政府が、人々による借り入れの節度

をうまくコントロールできるか

…がキーとなってきます。


管理人

今回の、メキシコ経済に焦点を当てた【世界経済紀行】の記事は、以上となります!

最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!

今回の記事では、メキシコ経済のあらゆる側面・森羅万象を深掘りすることはできませんでしたが(卒業論文並みの文量になってしまうので)、私がメキシコ経済について調べていく上で、最も興味を持った側面に焦点を当て、深掘り・考察・まとめさせて頂きました!

特に、暗号資産投資家(とりわけXRP投資家)にとっては…

・金融包摂
・モバイル・バンキング
・モバイル・決済・サービス


…など、いくつかピンとくるキーワードがあったのではないでしょうか?

そういう意味でも、メキシコ経済は、非常に興味深く、また、重要だと思い、今回一番最初の【世界経済紀行】の記事で取り上げさせて頂きました!

では!また次回の記事で!