【書籍レビュー】これから仮想通貨の大躍進が始まる!



皆さま、こんにちは!


記事をご覧頂き誠にありがとうございます!


今回の記事は初めての書籍レビューとなります!


当ブログでは主に…

・暗号資産
・ブロックチェーン


…関連の書籍をレビューしていく予定です。


他にも…

・投資全般
・金融
・政治
・経済

…関連の書籍もレビューしつつ、内容を暗号資産やブロックチェーン技術に結びつけ、今後の暗号資産市場・ブロックチェーン業界の展望について考察していければと考えております。


では、早速ですが、今回レビューする本は…

《北尾吉孝著『これから仮想通貨の大躍進が始まる!』》

…となっております。

著者紹介
・1974年に慶應義塾大学経済学部卒業後、野村證券、ケンブリッジ大学経済学部、ソフトバンク、を経て1999年より現職のSBIホールディングス代表取締役社長に就任(リップル社取締役も兼任)

・1999年にSBIグループを創設以来、当時としては先進的だったIT技術を駆使し、インターネット金融(ネットバンク)業界のパイオニアでとして、強固なリーダーシップと先見性をいかんなく発揮しながらグループの成長を牽引し、総合金融サービスプロバイダーにまで築き上げた

・近年はブロックチェーン技術・分散型台帳技術の重要性の訴求に力を入れており、同技術の普及に向け精力的に活動をしている

ブロックチェーン技術・暗号資産に対する積極的な姿勢



敏腕経営者として名を馳せている北尾氏、プレゼンスの高さは金融業界に留まりません。


近年は、ブロックチェーン技術・分散型台帳技術・仮想通貨(以下:暗号資産)の有用性や将来性について、積極的な普及の訴求を行なっています。


特に、暗号資産・XRPやリップル社の国際送金ソリューションの有用性については、訴求に留まらず…

・リップル社とSBIグループの合弁会社”SBI Ripple Asia”の設立
・暗号資産販売所・取引所の”SBI VC Trade”の設立
・リップル社取締役就任
・リップル社の技術を援用した国内即時送金サービス”マネータップ”のリリース


…など、実践を通じて暗号資産・XRPのエコシステム拡充に腐心しています。


今回紹介する書籍で北尾氏は…

・暗号資産(仮想通貨)が誕生以来辿ってきた変遷
・暗号資産に寄せる期待
・今後どのようにして暗号資産(XRPを中心に)のエコシステムの拡充を図るか(図るべきか)


…について惜しみなく記しています。

仮想通貨の市場は60倍以上に拡大する!

出展元:これから仮想通貨の大躍進が始まる!《SBクリエイティブ》(北尾吉孝著)



このような発言からも、北尾氏の暗号資産に対する並々ならぬ期待が垣間見えます。

本の内容をザックリ解剖



第1章
ブロックチェーン革命
ビットコインのバックエンド技術であるブロックチェーン技術や分散型台帳技術が普及することによって、金融業界のみならず社会に対してどのような効用をもたらすか、について記述されています。また、金融業界が抱えている現状の課題について問題提起をしつつ、暗号資産がそれらの課題の解決にどのように寄与しうるかの考察もされています。
第2章
仮想通貨(暗号資産)の現状と今後の展望
ビットコインに焦点を当てつつ、暗号資産が現状抱えている課題(ボラリティーの激しさ、分裂(ハードフォーク)問題、各国の規制策定が遅れている点)について言及をし、ビットコインの今後の展望や、どのようにして上述の課題を克服できるかについて考察がされています
第3章
中央銀行のデジタル通貨はビットコインの脅威となるか
中央銀行や民間銀行などの伝統的な金融機関が独自のデジタル通貨の発行のため、開発や実証実験を行っていることについて触れられています。また、中央銀行がデジタル通貨を発行した場合、ビットコインなどの暗号資産と競合するのか否かについての考察も行われています。この章ではリップル社のプロジェクトについても触れられており、リップル社のプロダクトの有用性や有効性についても述べられております。
第4章
フィンテック2.0
こちらの章でクローズアップされている“フィンテック2.0”は著者の北尾氏が独自に構想した概念で、基本的にブロックチェーン技術を中核とする新たな金融インフラのことを指しています。本章では、ブロックチェーンの技術面がクローズアップされ、北尾氏の考える“フィンテック2.0”の実例についても詳細に記されています。
第5章
仮想通貨(暗号資産)が地域経済の活性化に寄与する?
昨今低迷していると言われている地方銀行が再興を図るために、ブロックチェーン技術をどのようにして活用しているか(活用しようとしているか・活用するべきか)、について記されています
第6章
SBIグループの今後の挑戦
SBIグループがいままでどのような変遷を辿って成長をしてきたか、どのような要因や経営方針がSBIグループの興隆に寄与したのか、今後SBIグループがどういった形でブロックチェーン技術を援用し、事業の拡大を図っていくかについて記されています

暗号資産に対する圧倒的なポジティブ思考



本書の論調として、北尾氏の暗号資産に対する楽観的でポジティブな姿勢が見て取れます。

管理人

本の題名がそもそも…

「これから仮想通貨の大躍進が始まる!」

…ですしね



とはいえ、暗号資産のネガティブな面(高いボラリティー・シルクロード・マウント・ゴックスのハッキング)についても一部ではありますが記されています。


それらはあくまでもビットコインや暗号資産を取り巻くエコシステムに係る課題であり、暗号資産自体や背景にあるブロックチェーン技術・分散型台帳技術に係る課題ではないという点を念頭に入れて置かなければいけません。


この書籍は、2018年1月に暗号資産市場のバブルが崩壊し、その後市場が長期間低迷している時期(2018年11月)に発売されたのですが、北尾氏が市場全体を盛り上げようと、暗号資産の可能性を改めて訴求しようとしている姿勢がどことなく垣間見えました。

北尾氏がリップル社・XRPに寄せている大きな期待



暗号資産・XRPは、その特性上金融機関や送金業者との親和性が高く、受け入れやすいと北尾氏は示唆しています(特にビットコインと比較すると)。


ビットコインの一つの目玉である非中央集権的性質は、裏を返すと…

「中央銀行や金融機関などの中央集権的なシステムはもう必要ない」

…というような、ある種リバタリアン的なアジェンダに則っているものと見なされる可能性があるため、ビットコインは金融機関との親和性が低い、金融機関に毛嫌いされるのではないか、ということを北尾氏は示唆しているように読み取れます。

リップル社が提供するもっとも効率的な送金サービスは、自社開発した「インター・レッジャー・プロトコル」(ILP)と仮想通貨(XRP)を使用したもので、その仕組みは、現在の金融機関システムとの接続がしやすいものになっています。ILPを使うと、異なる口座間での通貨の移動が容易にできるようになります。たとえば、ビットコインはビットコイン用の口座である「ウォレット」同士でしか移動させることはできません。ビットコインをウォレットから、他人の銀行口座あてに直接送金することは無理なのです。しかし、ILPを用いれば、仮想通貨ウォレットから、銀行口座への送金が可能になります。しかも、送金先の通貨に両替して送ることができるのです。このリップル社のサービスであれば、金融機関としての仲介機能も維持されるため、金融機関としては受け入れやすい(=フレンドリー)といえます。

出展元:これから仮想通貨の大躍進が始まる!《SBクリエイティブ》(北尾吉孝著)

管理人

ビットコインとXRPが競合するというよりかは、役割やユースケースによってXRPとビットコインは棲み分けられると考えています。

ビットコインは確かに…

「政府や金融機関は必要ない」

…というようなリバタリアン的な思想に紐付けされることが多いですが、他方では価値の保存やインフレ退避資産として今後位置付けられるのではないかという論調も存在します。

本書のレビュー

入門書を読んだ後の二冊目に…



本書はズバリ…

「暗号資産やブロックチェーン技術についてもっと知りたい!」

「リップル社やXRPについてもっと知りたい!」

…という方向けだと思います。


「暗号資産についての知識が皆無!」

「暗号資産?仮想通貨?って何?」


…という方にとっては内容が少し難しい…というか今までに聞いたことがない専門用語が多く出てくるので、完全初心者向けの入門書を一通り読んだ上で、基本的な知識を身につけた方が…

「さぁ!もっと勉強したいぞ!」

…って時の二冊目として読むのが適当だと思います。

こんな方にもオススメ
  1. 別に暗号資産投資はする予定はないけど、最近話題のブロックチェーン技術についてもっと知りたい…
  2. フィンテック分野に興味がある
  3. SBIグループの経営方針や北尾氏の経営観に興味がある

すでに暗号資産にどっぷり浸かっている人は…?



すでに暗号資産投資(特にXRP投資)をしている方にとって本書の内容は、既知情報が多く、若干退屈に感じてしまう可能性があります。


私自身この本を読み、暗号資産やブロックチェーン技術について新たなことを学べた…というよりかは、既知情報についての復習のように感じました。


とはいえ、全く新しい学びがなかったというわけではなく、北尾氏独自の構想である…

「フィンテック2.0」

…の概念や…

「SBIグループの変遷・今後の展望」

…など新しい学びもありました。


すでに暗号資産投資にどっぷり浸かっている方は、暗号資産に関する書籍を読むというよりかは、SBIグループや北尾氏の経営観に関するビジネス本を読む、というスタンスだと楽しめるかもしれません(実際私はそういうスタンスで読みました)。

この本の評価
読みやすさ
(4.0)
面白さ
(3.0)
新たな発見
(2.0)
総合評価
(3.0)

管理人

サクサクと読みやすい構成となっており、数時間で読み終えることができます!

暗号資産やブロックチェーン技術についてある程度知識のある人にとっては復習に感じる内容が多いですが…

「これから暗号資産・ブロックチェーン技術についてもっと勉強をしたい!もっと知りたい!」

…という人にとっては入門書を読んだ後の二冊目としてオススメです!



今回の書籍レビューは以上となります。


最後まで読んで頂き誠にありがとうございました!


では、また次回の書籍レビューで!